NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち」(50点/サスペンス)

f:id:uei_nanigashi:20210419012006j:plain

■■■「七つの大罪クラブ 生贄になった少女たち」■■■
(50点/サスペンス)


 郊外の厳格なカトリック系の女子高に通うグレースは、彼女を含めた7人の少女たちで学校のスクールカーストの頂点として君臨しており、その奔放な行いから周辺から『七つの大罪』になぞらえた『シンズ(罪)』というニックネームで呼ばれていた。


 そんなある日、大人たちに『シンズ』の活動を密告したメンバーが居る事が判明。
 メンバーのうち一番の優等生のオーブリーが怪しいと考えた彼女たちは、オーブリーが大事にしている『秘密の日記』を盗み見たところ、『シンズ』や学校の生徒たちの悪事や悪口が事細かに記されている事を発見する。


 彼女たちはオーブリーを密告の犯人と考え、湖畔の小屋へと拉致して集団リンチを行うが、隙を見てオーブリーは森の中へと逃走しそのまま行方不明になってしまう。


 そして警察によるオーブリーの捜索が始まった直後に、メンバーの一人のケイティが『口にバラを押し込まれた死体』として発見されるという事件が発生し…

 


 カトリック高校のスクールカースト頂点に君臨する7人の少女たちが、思いがけず連続殺人事件へと巻き込まれていく…という、サスペンススリラー映画。


 一応は『謎解きスリラー』の形態を取っていますが、実際の中身の方は『学園もの』的なテイストが強め『学園生活/スリラー』が半々ぐらいの割合で混ざったような感じの作品ですね。


 『学園生活/スリラー』が半々という説明のとおり、学園ドラマ的な内容の部分が割と強めとなっており、少女たちの奔放な学園生活とそこに現れた『歪み』的な出来事を描いた序盤の部分は、日常的な生活が非日常へと変化していくという学園サスペンスらしい雰囲気も良く出てて割と悪くは無い印象。


 ただ学園テイストの雰囲気映画としては良いのですが、全体的にサスペンスとしてはパンチが弱い感じなんですよね。


 本編のうち学園ドラマ要素の部分がかなり長めで、事件が動き出すのはかなり後半に入ってから。
 それなのに『連続殺人』なんかを題材にしているので、序盤は日常的で冗長すぎますし終盤は事件の進行が駆け足すぎて、どうにもバランスが悪い印象


 サスペンス要素を楽しむ間もなく、次々に事件が起こった後は勝手に謎解きに突入していく感じなので、サスペンスとしてはちょっと盛り上がりに欠けます。


 また人間ドラマにしても、主役である七人の少女たちのキャラがシッカリと掘り下げられているのは良い感じのですが、お話的には特に深い内容も無くてドラマとして見るとそこまで面白い訳でも無いのは困りもの。


 ラストの謎解きに関しても、『納得のいく展開』ではあるのですがあまり捻りも無くて、特に面白味もないのでパンチに欠けるんですよね…
 扱う題材からして、もうちょっと毒が強い内容でも良かったんじゃないかなぁ?

 


 総評としましては、『全てが及第点の学園生活/スリラー映画』みたいな感じの作品ですね。


 総じて悪くない出来なのですが、悪くはないもののいま一つ面白味に欠ける作品というのが正直なところですよ。


 気になるのであれば観るのを止める事は無いですが、敢えてオススメするほどの要素も無いので『まあお好みで…』といった感じの一本だと思います。