NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アイランド・ゼロ」(50点/モンスター)

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■■■「アイランド・ゼロ」■■■
(50点/モンスター)


 クリスマスを目前に控えたメイン州の離島であるタッカー島。
 海洋生物学者サムは『魚介類がまったく取れなくなる』という謎の現象の調査を行っていた。


 しかしそんなある日、本土との連絡船であるフェリーが訪れなくなったうえに、ネットや電話が通じなくなるという事件が発生。


 物資の調達を定期連絡船に頼っていた彼らは燃料と食糧の不足から困窮してしまい、助けを求める漁船で町まで向かおうとするが、本土に向かう予定だったボートが『血痕だけを残して無人で漂流している』という異様な状態で発見され…

 


 通信網や交通手段の麻痺から離島に隔離された人々が、正体不明の謎の海洋生物の襲撃を受ける…という、モンスターホラー映画。


 Amazonプライムビデオの配信に入っていたのでなんとなく観てみたのですが、プライムビデオでB級ホラー映画配信の常連である『itn』による製作の作品という事で、推して知るようなレベルの低予算ホラー映画という感じの内容となっています。


 お話としては、『とある人里離れたメイン州の離島で「島が完全に本土から孤立する」という謎の事件が発生するんだけど、事件を調査していくうちに海洋生物学者の妻がかつて調査していた「未確認の捕食生物」の存在が明らかになっていき…』というような感じの展開。


 序盤の導入部分に関しては非常に良い感じで、『何か異常なことが起こりつつある』という事を感じさせる雰囲気の盛り上げ方も上手いですし、メインとなる登場人物たちのキャラクターの掘り下げや人間ドラマ部分もなかなか良く出来ており、なんとなくS・キングの作品を思わせるようなテイストが感じられて、予想以上に楽しませてくれます。


 舞台となるメイン州の孤島』というロケーションも、いかにもS・キングが好みそうな感じの設定ですし、実際にキング作品を意識して作られているのかも?


 ただ導入部分は面白いのですが、それ以降の展開が低予算故に非常に残念な出来になってしまっているのは困りもの。


 何が一番残念って本作は一応はモンスター映画なのですが、お話が動き出すまでが結構長めで、モンスターがとにかくなかなか登場しない事です。


 途中でサーモグラフィーカメラにチラっと写ったり、襲われた人間の死体とかは出てきたりするのですが、肝心の怪物の出し惜しみっぷりがなかなか酷い。


 しかもようやく登場したと思ったら『ステルス能力のある表皮のせいで姿が見えない』(サーモグラフィーカメラには映る)という設定で、映画には登場しても画面には殆ど登場しないとう展開には逆に笑ってしまいましたよ。


 制作者的には、上手く工夫してモンスターのCGの予算を節約したのかもしれませんが、流石に『画面に全く登場しない』のは物足りないにも程がありますし、人間とウナギのあいの子っぽい外見のモンスターのデザインは、なかなか不気味で良い味を出してたので流石にそこはもうちょっと頑張れよと…(笑)


 また序盤の雰囲気は良い感じなのに、終盤の『ドンデン返し的な謎解き展開』が妙に安っぽくていま一つ盛り上がりに欠けるのも残念なところかなぁ?

 

 妙に安っぽい『意外な展開』を仕込むぐらいなら、人間ドラマの雰囲気が良かったので、素直にその部分を掘り下げた方が良かったんじゃないかと思うのは自分だけですかね?

 


 総評としましては、世界観やら雰囲気やらは悪くないものの『いま一つ盛り上がりと迫力に欠けるモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。


 雰囲気映画としては悪くなさそうなテイストなので、S・キングの小説とかが好きであれば、そこそこハマれる要素のある作品かもしれません。(中盤以降で息切れしちゃったようなノリではありますけど…)


 とまれ、Amazonプライムに入ってれば無料で観れる作品ですので、プライムの利用者で気になるようであればチェックしてみても良いかもしれませんよ。