NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アース・フォール JIU JITSU」(55点/アクション)

f:id:uei_nanigashi:20210517012123j:plain

■■■「アース・フォール JIU JITSU」■■■
(55点/アクション)


 ビルマの近海で、記憶を失ったまま漂流していたところを回収された米兵のジェイクは、スパイの容疑をかけられて米兵に拘束されていたところを、同じ『使命』を持つという仲間たちによって救出される。


 仲間たちによると、彼は地元の伝説で6年に1度、彗星と共に現れるという『死の戦士』と呼ばれる、凶悪で異常なまでに好戦的なエイリアンと戦うという驚くべきものだった。


 カンフー、ムエタイ柔術…等、それぞれの武術を極めた戦士たちは、エイリアンに力を示して撃退すべく戦いを挑み、やがてジェイクは失われていた記憶を取り戻していくが…

 


 6年に一度、ビルマのジャングルに彗星と共に出現するエイリアンの戦士と選ばれし人間の戦士たちとの戦いを描いた、バトルアクション映画。


 数年前に「アース・フォール」という同じようなタイトルの作品が発売されていたようですが、当然のごとくそちらの作品とは何の繋がりも無くて、原題の方は「JUI JITSU(柔術)」という直球ストレートなタイトルの付いたなんとも分かりやすい方向性の作品です。


 一応はニコラス・ケイジトニー・ジャーがキャストとして共演しており、B級作品としては割とビッグネームの出演しているタイトルなのですが、内容の方はいかにもな低予算全開のアクション映画という印象。
 (というか『柔術』が題材なのに、セガールではなくてニコラス・ケイジが出演しているという辺りに微妙な違和感が…(笑))


 お話に関しては『交戦的な宇宙人の戦士と選ばれし人間の戦士が、ジャングルの奥地で命がけで戦う』という、まあどこかで効いたような設定…というか『まんま「プレデター」のオマージュ(というかパクリ)やんけ!!』としか言いようが無いようなプロットですし、登場するエイリアンも最初はステルス能力で姿を隠していたり、熱源感知で相手の位置を探したり、手裏剣状の飛び道具を投げて攻撃してきたりと、あんまりにも『まんまプレデター』な部分が多すぎて『おいおい大丈夫かよ!?』とツッコミを入れたくなるレベル。


 というかここまでやるるなら、いっそ20世紀フォックスからプレデターの版権を使わせて貰って、普通に『外伝』とかにして製作した方が良かったんじゃ…


 まあプレデター」のパクリ要素に関してはさておき、実際の映画の中身に関してですが、こちらの方も本家に負けないレベルでビックリするほど内容の無い作品で、一言で言ってしまうなら『90分間格闘ショー』みたいなノリの映画という感じ。


 ストーリーらしいストーリーは殆ど無くて、映画の大半のシーンが主人公たちが『米兵と戦っている』か『エイリアンの戦士と戦っている』かのどちらかという塩梅。


 ただ、それだけにアクションシーンにはなかなか力が入っていて、カンフー、ムエタイ柔術、剣術、棒術、ナイフ格闘術、ヌンチャク、トンファー…といった、素手から武器まで各種要素を取り揃えたガチンコ近接バトルの連続で、様々な武器や武術を使いこなす謎の宇宙人と主人公たちの戦闘シーンは、なかなかに見ごたえがあります。
 (なんで宇宙人がそんなもの使いこなせるかというと、一応『宇宙人が地球に格闘技を伝えた』みたいな設定らしい。)


 ただ、ストーリーがあまりにも無さすぎるせいで主人公たちが戦ってるシーン以外はぶっちゃけ退屈で、映画の殆どが格闘シーンなのに『それでもちょっと冗長に感じてしまう』という雰囲気なのは困りもの。


 また設定に関しても無理のある部分が多すぎで、まず宇宙人の地球を訪れるサイクルが『6年に一回』って、『いくらなんでも地球に来すぎだろ、オリンピックかよ!?』ってレベルですし、6年に一回接近する彗星って『どんだけ地球に近い軌道を回ってるんだよ?』ってレベル。(というか、それたぶん彗星じゃないよね?)


 他にも『宇宙人と地球の戦士が戦って力を示せないと人類が滅亡させられる』みたいな設定もあるみたいなのですが、ホントに6年サイクルで来てたのなら今まで何度も地球が滅亡させられてるだろ?って感じですし、こんなに内容の無い話なのにツッコミどころが多すぎ…


 アクションシーンの見せ方に関しても、妙にブツ切り的でテンポがあまり良くないですし、ラストもいま一つ盛り上がらない感じでしたし、アクションシーン以外の演出やらストーリーにももう少しぐらい力を入れた方が良かったのでは…と言いたくなってしまうような作品でしたよ。

 


 総評としましては、『いま一つ退屈で盛り上がりに欠けるバトルアクション映画』というのが正直な感想です。


 アクションシーンとしてはそこそこ見どころがある内容なのですが、それ以外の部分がダメダメすぎでどうにも微妙な印象を抱いてしまうような作品でしたよ。


 まあ、格闘シーンやアクションシーンのみを観る分にはそこそこ楽しめるレベルではありますので、『エイリアンの戦士と人間戦士のガチンコ格闘バトル』といった部分が気になるようであれば、それなりにオススメできる一本かもしれませんよ。