■■■「バトル・オールナイト 武装集団の襲来」■■■
(50点/アクション)
メキシコで麻薬カルテルの税理士をしていたペドロは、ある日、組織から抜けるために組織のボスと交渉することとなる。
万が一、組織を抜ける事を良く思わないボスからヒットマンを送られた場合に備えて、人里離れた山中の別荘を装甲化して要塞化したうえに、用心棒を警備として雇って準備した彼だったが、そんな矢先に一人の『見知らぬ少女』が彼の別荘を訪問。
事情を聴こうと少女を受け入れた彼らの元を、謎の武装集団が襲来する。
武装集団は彼らに『少女の身柄を引き渡す事』を要求するが、ボスとの戦いに備えて臨戦態勢なうえに事情の呑み込めない彼らは、否応なしに武装集団との戦いへと巻き込まれていくのだった…
麻薬カルテルから身を守るために武装していた一家が、一人の少女をかくまった事から正体不明の武装集団との戦いに巻き込まれる…という、サスペンス風味のアクションスリラー映画。
タイトルや設定からして、なんとなくクライムサスペンスっぽいアクション映画かと思っていたのですが、アクション映画なのはアクション映画なのですが意外にもオカルトテイストの強いアクション映画という感じの作品でした。
お話としては『とある税理士が、麻薬カルテルのボスのヒットチームと戦うために別荘に用心棒を雇って武装するんだけど、森の中でさ迷う一人の少女を助けたところ、正体不明の武装集団の襲撃を受けて思いがけず苛烈な戦いへと発展していく』みたいな感じの展開。
『この少女の正体が実は…』みたいなのがお話のメインの部分となっていくのですが、設定としては捻りが効いててなかなか面白いです。
ただプロットは意外性があって面白いのですが、なんというか全体的にいま一つ設定を活かしきれていない感があるのは残念なところ。
別荘を襲撃する武装集団は、全身に怪しげな入れ墨を入れてツヴァイハンダー(両手剣)を振り回したりと個性が立ってて良い味を出しているのですが、襲撃を受ける別荘のガードマンが完全に雑魚あつかいで、アクション的な見せ場が殆ど無いんですよね。
主人公も単なる税理士という事で、特に戦闘能力に長けている訳でも無くて殆ど逃げ回っているだけなので、いま一つ盛り上がりません。
中盤辺りで。女の子の秘密が判明してからの展開は割と面白くなるのですが、そこまでが結構長めでダラダラとダベっているだけみたいなシーンが多くて、どうにも冗長です。
ラストも妙にグテグテな感じなうえに、なんだか投げっぱなし的なオチですし、ぶっちゃけ、特に終盤の『内ゲバみたいな展開は必要なかったんじゃ?』と感じてしまったのは自分だけ?
設定や素材からすると、もっと面白く出来る要素がいっぱいあったと思うので、どうにも物足りなさの残る内容でしたよ…
総評としては『いま一つ盛り上がりに欠けるオカルト風味のアクションスリラー映画』って感じの作品ですね。
ただ推す程の要素は無いものの、アクション映画としての完成度はそこそこだし特に退屈な内容ではないので、気になるようであればチェックしておいても良い一本ではないかと思います。
プロットそのものは悪くないので、もっと『趣味に走ったみたいなノリ』にしてくれてれば面白くなったんじゃないかと思う部分もあるのですが、どうにも弾けきれてない印象の残る映画でしたよ