NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・キャビン 監禁デスゲーム」(40点/サスペンス)

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■■■「ザ・キャビン 監禁デスゲーム」■■■
(40点/サスペンス)


 学生時代からの友人のフェデリコ、ロベルト、ジュリオ、ミケーレの4人は、7年前に不慮の事故で亡くなった友人であるアレッサンドロの母のヴェロニカが開いた展覧会の開催パーティへと招待される。


 久しぶりの再会に会話を弾ませる旧友たちだったが、何故かパーティの会場で意識を失った彼らが目を覚ますと、そこは雪に覆われた極寒の山中のロッジで、防寒装備の無い彼らはその場所から出られなくなってしまう。


 更に室内の壁には『真実を』と書かれた文字と、彼ら5人が当時一緒に付けていたペンダントがメモと一緒に置かれており、メモには『アレッサンドロは本当は殺された、明日までに真実を話さないと全員を殺す』といった旨の謎のメッセージが残されていた。


 突然の事態に困惑する彼らだったが、兼ねてよりアレッサンドロの死に疑問を抱いていた彼らは疑心暗鬼に陥っていき、更には仲間の一人がソファーの下に隠された拳銃を発見したことを切っ掛けに、徐々に緊張感が高まっていくのだった…

 


 雪山のロッジに拉致された4人の旧友たちが、かつての友人の事故死に関して疑心暗鬼を抱き争いへと発展していく…というイタリア製のサスペンススリラー映画。


 タイトルに『監禁デスゲーム』とか付いていますが、そもそも主人公たちは監禁されていない(敢えて言うなら軟禁?)ですし、デスゲームも特に開催されないので、何というか『タイトルに偽りあり』な感じのサスペンス映画です。


 お話としては『かつて仲の良かった友人の5人組みのうち、一人が死を遂げた事故に関して「実は4人のうちの誰かに殺された」という謎のメッセージを元に、当時のメンバーが疑心暗鬼に陥りながら犯人捜しを行う』みたいな感じの展開。


 『現在のパート』と『過去のパート』が交互に進みつつ謎解きが進行していくといった構成なんだけど、お話としては『過去に起こった事件の真相を掘り下げていく』みたいな感じなので、謎解きミステリー的なノリが強めの作品になっています。


 ただ謎解きミステリーといっても、手がかりが徐々に提示されていくというよりは人間ドラマの要素の方が強めの印象。


 お話が進むたびに、過去の『仲良し5人組』が実は人間関係や女性関係、金銭絡み等で揉めていたり、仲間の一部がゲイカップルだったりして、裏側では微妙に険悪な関係『全員に殺害の動機があった』みたいなのが分かってくるのは面白いですね。


 過去のエピソードによって主要となるキャラの掘り下げもシッカリと行われていますし、人間ドラマとしては割と良く出来ている印象。


 ただ人間ドラマとしては良く出来ているものの、サスペンスとして面白いかと言われると微妙なところ。

 『友人の謎の事故死』を中心にお話が動いていく割には、肝心の友人の死に関する話がなかなか出てこないため、見ていてちょっとモヤっとしますし、『過去の掘り下げ』のシーンは殆どが『人間関係』の説明に終始しており、特に盛り上がるような要素も無いため見ていてどうにも退屈です。


 現在のシーンでも、小屋で一つだけ見つかった『拳銃』を巡ってのサスペンス的な要素はあるものの、『翌朝まで』のタイムリミットに特に意味がある訳でもなくて、いま一つ緊張感が薄いのは困りもの。


 ネタバレになりますが、謎解きに関しても『一番怪しそうな人』が順当に犯人ですし、ちょっとだけ『どんでん返し』的な要素もあるものの、中途半端で特に面白味も無いんですよね。


 ドラマ要素は悪くなかったので、もうちょっと謎解き要素やサスペンス要素がシッカリと作り込まれてればなぁ…というのが正直なところでしたよ。

 


 総評としましては、どうにも『緊張感や盛り上がりに欠ける低予算サスペンス映画』って感じの作品です。


 人間ドラマ的な部分は悪くないので『ドロドロとした青春ドラマ』的なノリが好きであれば…という感じですが、サスペンスとしてはちょっと弱め。


 特に『監禁デスゲーム』の部分とか『ヒリヒリした緊張感』みたいな要素に期待していると肩透かしも良いところなので、そういう部分に期待している場合は要注意の映画かもしれませんよ…