NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「2:22」(40点/サスペンス)

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■■■「2:22」■■■
(40点/サスペンス)


 秩序を愛し、飛行機の発着を完璧に管制するベテラン航空管制官のディランは、ある日を境に異常にリアルな夢を見るようになる。
 それは、午後2:22のニューヨークのグランドセントラル駅で、謎の爆発が起こり、その直後に殺人事件が発生するというものであった。


 そんな最中、友人から貰ったチケットで観劇に訪れた彼は、そこでサラという美しい女性と遭遇。
 お互いの出会いに運命的なものを感じた彼らは、意気投合し恋人として付き合うようになるが、彼女と生年月日が全く同じという奇妙な偶然がある事を知る。


 更に、毎日の2:22に向けて同じような奇妙なルーチンが繰り返されるうえに、彼女の勤める美術ギャラリーで彼が『夢に見た場面』と全く同じ3DCG映像が作成されている事を知ったディランは、その時刻に何か特別な意味があるのではないかと考えるようになるが…

 


 『秩序』や『法則』に執着する青年が『2:22』という時刻に関連して起こる奇妙な現象を調べるうちに、驚くべき真実に辿りつく…というオカルト風味のサスペンススリラー映画。


 ノリとしてはオカルトとSFの中間的なノリの、いわゆる『サイエンスフィクション』というよりは『少し不思議』系のSF的な作品ですね。


 独特の不思議なテイストを持ったサスペンスなのですが、『雰囲気映画』ってほど理不尽でも無いですし、かといって『SF映画』ってほど理論に裏付けられた内容でも無いという、やや独特のノリの映画という印象です。


 お話としては、『繰り返し不思議な夢を見るようになった青年が、それを切っ掛けとしてある女性と恋人になるんだけど、夢を切っ掛けに「2:22」という時刻にまつわる奇妙な法則性を発見し、それが自分と恋人の運命を左右する驚くべき現象に由来しているものだと気付く…』みたいな感じの内容。


 少しネタバレになってしまいますが、運命の日である『自分と恋人の誕生日の2:22』に向けて、同じルーチンの日常が繰り返されてて、それは実は『数十年前のとある事件』に端を発しているみたいな設定なのですが…


 この謎の現象の説明が『納得が行くような行かないようなフワっとした設定』なんとなく雰囲気で納得したふうに流しているような作りなので、なんか観ててもやもやするんですよね。


 作品そのものの雰囲気は悪くないので、ここまで『雰囲気』で流すなら、いっそセカイ系みたいな内宇宙(哲学)的な設定でも良かった気がします。


 また、謎解きに関しては上記のように割と凝った設定であるものの、それ以外に大きな事件が起こるわけでも無く、また『2:22に起こる事件』というのが大災害とかじゃなくて『恋人同士の痴話ゲンカ』のレベルで滅茶苦茶スケールが小さいため、見ていてとにかく地味で盛り上がりに欠けるんですよね。


 特に中盤辺りはそこまで謎解きが進むわけでもなく、更にラストもそこまでたいした展開にならないのが想像できてしまうため、ちょっと冗長さを感じてしまいました。


 終盤のちょっとしたドンデン返し的な展開も特にインパクトがあるような内容でも無いですし、全体的にもっと派手にするか、雰囲気映画的な方向に突き抜けた内容であれば、そこそこ楽しめる作品になったんじゃないか…という感想を抱いてしまうような作品でしたよ。

 


 総評としましては、どうにも盛り上がりに欠ける『雰囲気映画的なテイストのSF(少し不思議)風味サスペンス映画』って感じの作品ですね。


 雰囲気映画的なノリが好きであれば、まあまあ楽しめる内容かもしれませんが、個人的にはどうにも地味すぎて物足りなさが残ってしまう映画でした。


 あまり推すような要素も無いですが、敢えて見るのを止めるほど酷い出来でもないので、趣味に合いそうならお好みで…といった感じの一本というところでしょう。