■■■「カムバック・トゥ・ハリウッド!!」■■■
(60点/コメディ)
1974年のハリウッド。
B級映画プロデューサーであるマックスは、社運をかけて製作した映画の「尼さんは殺し屋」が大コケし、その多額の借金から彼の会社であるミラクル映画社は存続の危機を迎えていた。
更には、借金の相手であるギャングのボス・レジーから、『借金の35万ドルをすぐに返さないと殺す』と脅迫された彼は、かつての弟子で今は売れっ子プロデューサーとなったジミーに金を無心するも交渉は決裂。
そんな折、偶然にも人気スター俳優の事故死の現場に遭遇し『撮影中の事故で俳優が無くなれば多額の保険金が貰える』と気づいた彼は、往年の西部劇スターであるデューク・モンタナを老人ホームから引っ張り出し、保険金を得るために撮影中の『事故』で殺害を企てるが…
売れない映画プロデューサーが保険金で借金返済するためにロートル俳優を撮影中の事故に見せかけて殺害しようとするが、その企みが思いがけない事態へと発展していき…という感じの、コメディ風味のサスペンス映画。
ロバート・デ・ニーロ、 トミー・リー・ジョーンズ、モーガン・フリーマンといった超大物のシルバー俳優たちが出演した事で話題となった作品ですが、流石にベテランが揃っているだけあって俳優陣は個性の光る良い仕事をしています。
お話としては、『B級映画専門の売れない映画プロデューサーが、ギャングからの借金返済のために過去のスター俳優を『撮影中の事故』で殺害して保険金を得ようとするも、彼の目論見は次々と失敗してしまい…』みたいな感じのストーリー。
ストーリー的には、『映画への夢を諦めきれない老人たちが、ドタバタを繰り広げつつも夢を叶えていく』みたいな、いわゆるステレオタイプのコメディ系サクセスストーリーという感じの内容ですね。
『主人公が悪だくみをして、ロートル俳優を不慮の事故で死なせようとするするんだけど、企みがことごとく裏目に出て逆に映画の完成度が上がっていく』という展開は、あまりにもお約束ながらもなかなか楽しく見れる感じ。
また、夢を失いつつあった老人たちが『再び生きる目標を見出していく』みたいなお話の流れについても、こちらもお約束ながらもなかなか良く出来ている印象。
大物俳優とお約束的な展開で、まさに『こういうので良いんだよ』って感じのノリとお約束に従って作られた、紋切型の人間ドラマ系のコメディという感じですね。
全体的にお約束的なノリは良く出来ていますし、いぶし銀俳優たちの演じるキャラも良く立っているのですが、やや気になったところがあるとしたら『主人公の性格』がちょっと好きになれないところかなぁ?
主人公が、序盤で『夢を諦めきれない老人』というよりは『単なる性格の歪んだ頑固ジジイ』みたいな描き方をされており、そのキャラが結構ウザい感じの描かれ方をしてるせいで、終盤で改心するっぽい展開になってもいま一つ感情移入しきれない部分がありました。
主人公は、もうちょっと『仕方なしに悪事に加担してる』みたいな設定でも良かった気がしますよ。
またオチも良い感じのまとめ方だったと思うのですが、ちょっとアッサリしてる感があったのでラストはもうちょっと余韻のある感じのノリでも良かったかも?
あとB級マニア的には、オマケで予告映像の入ってた「尼さんは殺し屋」の方の本編が凄く観てみたいのですが、いっそこっちも映画化してくれませんかね?(笑)
総評としましては、そこそこ良く出来た『サスペンス風味のコメディ映画』って感じの作品ですね。
お笑い要素とか人間ドラマ要素とかを、必要十分に満たした感じの内容ですので、そういうノリの作品が好きであればチェックみても良いかもしれません。
強く推す程ではないですが悪くない出来の作品ですし、ひとまず主演俳優陣とかに興味があれば観ておいても損は無い一本だと思いますよ。