NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ラン・ハイド・ファイト」(60点/アクション)

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■■■「ラン・ハイド・ファイト」■■■
(60点/アクション)


 17歳の女子高生のゾーイは、軍人の父と幼い頃からキャンプや狩りに出かけて銃の扱いやサバイバル技術を学び、今でも一緒に狩りに出かけるような関係だったが、母親の死を契機に家族の関係に溝が出来つつあった。


 高校がプロムの準備で浮かれるある日、唐突に武装したバンが校舎に突入。
 テロリストの集団が生徒たちを殺戮しながら、カフェテリアを占拠してしまう。


 襲撃時にたまたまトイレに居たゾーイは、難を逃れて校舎から脱出に成功するが、生徒たちの多くがまだ校舎内に取り残されて居る事を知った彼女は、生徒たちを脱出させるために校舎に戻り単身でテロリストたちへと立ち向かっていくのだった…

 


 父親からサバイバル技術を学んだ女子高生が、人質となった生徒たちを救うために学園を占拠するテロリストたちに単身で立ち向かっていく…という、学園パニックものサバイバルアクション映画。


 いわゆる中二病の男子なら誰もが一度は考えた事があると思われる、『学校を占拠したテロリストたちに戦いを挑む』という、妄想シチュエーションをそのまんま映像化したようなお話です。


 ただ『妄想を具現化したようなプロット』の作品の割には、設定やら舞台背景やらがシッカリと作られているのが特徴で、主人公が父親の趣味に付き合って『狩猟やサバイバルの経験』があり銃の扱いに慣れていたり、主人公が対峙するテロリストもガチのプロフェッショナルとかではなくて『学校に不満を持つ生徒たちによるテロリストもどき』みたいな存在で、『これなら戦いが成り立つかな?』という感じの現実味の感じられる設定で作品を描いているのは、なかなか上手いです。


 他にもテロリストが学校の生徒だけあって、学校の緊急通報の仕組みやら建物の構造やらを把握していて『効率的に学校を占拠していく』という流れもなかなか面白いですし、警察や教職員の対応なんかも矢鱈とリアル寄りで現実味があったり、主人公も『銃が扱える』というだけでそこまで強いわけでも無かったりと、妙な部分でリアリティを追求している感があるのは悪くない印象。


 ただ『現実味が強めな設定』だけあって全体的にアクション要素が弱めで、アクション映画として見るとやや見ごたえに乏しいのは残念なところ。


 アクション要素が弱めな代わりにドラマ部分は割と作り込まれており、キャラの掘り下げとかはシッカリとしているのですが…
 母を失った父と娘がその死を乗り越える『家族再生のドラマ』的な内容の割には、意外と親子の関係性とかの人間ドラマの要素が薄くて中途半端な感じになっているんですよね…


 『娘を救うために自らの危険を顧みずに立ち上がる父親』とかの姿はカッコ良かったので、もうちょっとその辺は掘り下げがあっても良かったかも?


 あと、敵役であるテロリストたちにいま一つ魅力が感じられなかったのも、やや残念な部分かなぁ?

 


 総評としましては、『そこそこ楽しめるレベルの学園パニックものサバイバルアクション映画』っていう感じの作品ですね。


 『もし学校がテロリストに占拠されて戦うことになったら?』みたいなシチュエーションに憧れる人であれば、まさにそのシチュエーションをそのまま描いたような作品ですので、観てみても良いかもしれません。


 ただ、アクション映画としてはちょっと派手さに欠ける内容ですし、そこまで強く推すほどではないので気になるようであれば『まあお好みで』って感じでしょうか?