NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラサイティック」(50点/モンスター)

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■■■「パラサイティック」■■■
(50点/モンスター)


 違法に移民の国外への脱出を手助けする移民ブローカーを父に持つJCは、ある日、父の仕事を正式に引き継ぐ事となる。


 彼は父の指示のもと、一時的な隠れ場所として移民たちを人里離れたモーテルに案内するが、宗教施設のような奇妙な外観を持つそのモーテルの地下で有機的なベッドに移民が飲み込まれる現場を目撃。


 彼らの真の『仕事』は、『身寄りのない移民たちを怪物の身体と一体化した施設に生贄として食わせる事』だという驚くべき事実を知らされる。


 そんな矢先に、雪道の運転中の事故で父親を失い吹雪の中に6人の移民者たちと閉じ込められる事となった彼は、『施設』の暴走をなんとかして食い止めようとするが…

 


 『人食い施設』の管理人となった青年が、なんとかして施設の暴走を食い止めて施設と一体化した怪物を倒そうとする…という、モンスターホラー映画。


 うーん、いわゆる雰囲気系が系の作品なのですが、何というか『何だか良く分からないお話』というのが正直な感想のお話ですね。
 独特の世界観とかから欧州系ホラーっぽいノリの作品のような印象を受けますが、製作国的にはフィリピンかどこかで作られた映画のようです。


 設定としては、人里離れた山中に『原始宗教(ドルイド教?)か何かの神様と一体化した施設』みたいなのがあって、何者たちかがその施設のベッドに移民を騙してエサ(生贄)として与えているみたいな感じなのですが、その辺の設定があまり明確に語られていないため、世界観や世界設定はやや分かり辛い印象。


 お話的には、『父親の死を契機にその怪物施設の管理を任されることとなった主人公が、なんとかして怪物の暴走を食い止めようとする』みたいなのがメインの流れになっている感じです。


 『犠牲者が地下室の白いシーツの貼られたベッドの上に寝転がると、ベッドから触手みたいなのが出てきて飲み込まれてしまう』という怪物による捕食の描写はなかなか不気味ですし、独特の世界観は悪くない印象。


 ただ、建物はどちらかというと近代的な監獄っぽいデザインで、あまり生物感が無くて『怪物の体内』と言われてもいま一つピンと来ない感じなんですよね。
 ストーリー的には、もうちょっと全体的に有機的なデザインでも良かった気がしますよ。


 あと、お話が全体的に冗長でテンポが良くないのも気になるところ。


 特に序盤の展開がダラダラしているせいげストーリーがなかなか核心に近づきませんし、主人公の行動が何か信念を持っているわけでもなくて、基本的に『状況に流されているだけ』みたいな行動しか取らないせいで、観ていて少しイライラさせられてしまいます。


 なんとなく『不法移民問題』とか『抑圧からの解法』みたいなのの暗喩っぽいネタを仕込みたかったのかな?という雰囲気は漂ってはいるのですが、ラストも何が言いたいのか釈然としないような終わり方ですし、自分的には最後まで何が言いたいのか釈然としませんでしたよ…

 (そういう問題を抱えている国の人たちから見ると、もっと共感できるような内容なのかしらん?)

 


 総評としましては、なんだか良く分からない『冗長な印象のモンスターホラー映画』というのが正直なところですね。


 予告とかを観て『独特の世界観』とかが気になるようであれば観るのは止めませんが、個人的にはあまり強くオススメするような要素は感じられないかなぁ?


 ノリ的になんとなく、サブスクリプション系のサービスに入りそうな作品のような気がするので、急がないのであればそういうサイトで観れるようになってからチェックする程度でも良いかもしれませんよ。