NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グリーンランド-地球最後の2日間-」(65点/パニック:結構オススメ)

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■■■「グリーンランド-地球最後の2日間-」■■■
(65点/パニック:結構オススメ)


 近未来、地球近傍に突如として現れた彗星『クラーク』が、バラバラになりながら隕石群となって地球を直撃する事が判明。


 巨大隕石の直撃が迫るなか、米政府は極秘裏に有用な人材を選出してシェルターへと非難させる計画を実行する。


 建築技師としての技術を見込まれ避難民に選出されたジョンは、妻のアリソン、息子のネイサンと共に避難先へと向かう飛行場へと赴くが、息子の持病が原因で飛行機への搭乗を拒否されてしまう。


 更には小型の隕石が次々と地上に落下し、街が大パニックに陥り無法地帯となっていくなかで息子と妻とはぐれてしまったネイサンは、独自に避難しようとしている人たちから『政府の極秘の避難先のシェルターがグリーンランドにあるらしい』という噂を聞き、妻や息子と合流してなんとかしてグリーンランドまで向かおうとするが…

 


 彗星の接近にともなう巨大隕石の落下による地上崩壊とパニックのなか、なんとかして災害から生き残ろうとする家族の姿を描いた、ディザスターパニック映画。


 特に話題にもなっていなかった作品ですが、物凄く骨太な内容でなかなかに良く出来た災害もののパニック映画となっています。


 お話としては、『巨大隕石群の落下が迫る世界で、それに伴う暴動とパニックによって離れ離れになってしまった家族が、なんとかして再会して避難先であるグリーンランドのシェルターへと向かおうとする』みたいな感じのお話。


 いわゆる『隕石落下系のディザスターパニックもの』なのですが、結構予算をかけて作られており、災害描写やパニック描写、人間ドラマの描き込みが非常にリアルなのが特徴の作品という印象。


 特に人間関係の描き込み描写に非常にリアリティがあって、人類滅亡級の災害の襲来を知って、パニックによって身勝手に暴れだす民衆、逆にこういう時だからこそ他人を気遣って助けてくれようとする人たち…と様々な形で関わりながら、最後まで希望を捨てないでなんとかして生き延びようと奮戦する主人公たちの姿が物凄くリアルに描かれており、人間心理の怖さを感じさせつつも感動させるようなシーンもあったりして、ドラマ部分に関しては非常に良く出来ています。


 ディザスターパニック要素に関してもなかなか良く出来ており、小型の隕石の落下で各都市が崩壊する様子がTVで中継されたり、それに伴って避難民によるパニックやら街で暴動や略奪行為が発生したりといった具合に、一気に文明が崩壊するのではなく段階的にパニックが広がっていく様子がリアルで『現実に地球に隕石群が落下するような事があれば、こんな感じで被害が拡大していくんだろうな』という雰囲気が感じられるのが面白いです。


 ただ、そこそこ予算をかけて作られているものの、ハリウッドの超大作のような莫大な予算をかけられている訳ではないので、スペクタクルのシーンはちょっと控え目な印象。


 前述のTVのニュース映像やら小規模なパニックシーンでストーリー的には補完はされているものの、主人公たちが直接的に災害に巻き込まれるようなシーンはあまり無くて、大規模ディザスターパニック映画のような『迫力のある映像』を求めていると、ちょっと肩透かしを食らってしまうかも?


 ただ、『大げさすぎないところ』が逆にリアリティを感じさせる要素にもなっていますし、ややご都合主義的な部分もあるもののオチの落とし方なんかもなかなか上手いですし、限られた予算内でバランスよく作られた作品だと思います。


 全体的にやや物足りない部分はありますが、『赦し』と『再生』をテーマとした作品のテーマ性も分かりやすく、見どころもハッキリしていてサクっと観れるのは良いところだと言えるでしょう。


 出来ればTVドラマシリーズ化とかして、この設定で何本かのオムニバス的なストーリー(他の家族や人々のドラマ等)を観てみたいと思わせられるような作品でしたよ。

 


 総評としましては、『なかなか良く出来た人間ドラマ要素強めのディザスターパニック映画』って感じの作品です。


 ちょっと地味な内容ではありますがそれなりに見ごたえもありますし、ストーリーとかは普通に面白いですので、気になるようであればチェックしておいても損はない一本だと思います。


 特にパニック映画の人間ドラマ的な要素が好きな人であれば楽しめる内容だと思いますので、そういうのが好きな人であれば割とオススメできる作品ですよ。