NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ウィドウ 怪物の森」(45点/オカルト)

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■■■「ウィドウ 怪物の森」■■■
(45点/オカルト)


 ロシアのレニングラードのとある森では、ここ数十年で300人以上の人間の失踪が続いている奇妙な森があるという。


 失踪した人間のうちわずかに死体で発見されてものは、すべて裸の状態で、拷問をうけたような跡が見られる場合もあれば無傷な場合もあり、原因は謎に包まれていたが、地元民の間では『未亡人』と呼ばれる悪霊の仕業であるとウワサされていた。


 そんなある日、近隣で新人のトレーニング中だったレスキュー部隊が、森で少年が行方不明者になったという通報を受ける。


 彼らは訓練を中断して少年の捜索を開始するが、森の中でなぜか全裸の老婆に遭遇。
 ひとまずは彼女を保護して病院へと搬送する事となるが、老婆を保護してから彼らの周りで奇妙な現象やトラブルがが相次いで発生するようになり、彼らは森から脱出できなくなってしまい…

 


 悪霊の徘徊するという噂のある森に捜索に訪れたレスキュー部隊が、奇妙な老婆に遭遇した事を契機に異様な現象へと巻き込まれていく…という、ロシア製のオカルトサスペンス映画。


 一応、レスキュー部隊の活動を撮影したTVチームの作ったモキュメンタリー映画といった設定になっていますが、モキュメンタリー要素は本編中で全く有効に利用されていないので『別にこの要素は入れる必要なかったんじゃ?』みたいな感じの作品です。


 お話としては、『過去にあったとある事件の影響で「未亡人」と呼ばれる悪霊が出現するとウワサされる森に行方不明者の捜索に入ることになったレスキューチームが、その場所で謎の老婆を救助した事を切っ掛けに奇妙な現象に巻き込まれていく』みたいな感じの展開。


 深夜の森が舞台でいわゆる『魔女』絡みのお話だったりと、設定的には割と「ブレアウィッチ」を意識したような感じなのですが、前述のとおり殆どモキュメンタリー映画的な要素は無いため、そこまで似ている雰囲気の作品でもありません。


 お話の流れとしては『深夜の森で迷ってしまい、離れ離れになったレスキューチームのメンバーが、様々な怪奇現象に遭遇するうちにパニックに陥っていく』みたいな感じなのですが、ぶっちゃけて言ってしまうとどうにもテンポの悪い作品というのが正直な印象。


 そこまで目だった怪奇現象が起こる訳でもなければ、謎の老女もそれほどお話に積極的に絡んでくる訳でも無く、レスキューチームの面々が深夜の森の中を延々と徘徊しているのを見せられるだけのシーンが多くて、オカルトとしてはどうにも盛り上がりません。


 確かに『深夜の森』の不気味な雰囲気は悪くないのですが、いかんせん舞台が深夜の森のせいで画面の殆どが真っ暗で何が起こっているのか判然としないシーンが多すぎるのは困りもの。


 オカルト要素を出すのであれば、「ブレアウィッチ」みたいにもうちょっと宗教的なシンボルとかを有効に活用した方が良かった気がしますよ。


 終盤の『未亡人』の秘密が判明する辺りからはそこそこ盛り上がってきて面白くなるのですが、そこまでの展開が全体的にスローテンポすぎて、画面も殆どのシーンが真っ暗なせいもあって自分は途中で2回ぐらい寝落ちしてしまいましたよ…


 オチも最初のモキュメンタリー設定を全く活かさない感じのオチだったので、全体的に何だか釈然としない気持ちばかりが残る作品でした。

 


 総評としましては、『いま一つ盛り上がりに欠けるモキュメンタリー風味のオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。


 映像や雰囲気は悪くないのですが、作品のテンポの悪さのせいでどうにも退屈に感じてしまう内容だったというのが正直なところ。


 深夜の森を徘徊する系の雰囲気映画とかが好きであれば、それなりに楽しめる内容ではあると思うので、そういうのが好きであればチェックしてみても良い一本かもしれませんよ。