■■■「コンティニュー」■■■
(65点/アクション:結構オススメ)
元デルタフォースの特殊部隊員であるロイは、ある朝、目覚めた瞬間に殺し屋に襲撃され命を落とすが、その直後にまた同じ朝を迎えて延々と同じ時間を繰り返している事に気づく。
時間をループする度に複数の殺し屋軍団から命を狙われつつも、100回以上も同じ時間をやり直すことで襲撃を逃れ続けられるようになった彼は、物理学者である元妻の遺した伝言から、彼女の行っていた研究であるコードネーム『オシリス』が、この現象に関係しているのではないかと考える。
しかし事件の原因を探ろうとジェマに連絡したところ、彼女はループの当日に既に死亡している事が判明。
ロイは彼女を救い時間のループを脱して、この現象を終わらせる方法は無いかと時間ループのなかで試行錯誤を繰り返すが…
元特殊部隊の主人公が元妻の研究の影響でタイムループに巻き込まれたうえに、1日を繰り返すたびに殺し屋に延々と命を狙われ続ける事になる…という、サスペンス風味のタイムループものアクション映画。
時間のループに巻き込まれて、延々と殺し屋軍団に命を狙われる時間をループし続けることとなった男の戦いを描いた、いわゆるタイムループもののSFアクション映画。
設定とかノリとしては、トム・クルーズの出演していた「オール・ユー・ニード・イズ・キル」にちょっとテイストが似ている感じですが、あそこまでSFしている訳ではなくてアクションとかコメディ色が強めの内容です。
演出的にも『レトロなTVゲーム』っぽい画面演出が多用されており、ゲームを延々とリセットしてリトライを続けているみたいな雰囲気をフィーチャーした作品という感じですね。
ぶっちゃけ、お話の半分ぐらいの尺は『主人公が殺し屋軍団と戦い続けているだけ』という感じなのですが、100回以上も同じ時間を繰り返したせいで『朝食を準備しながら殺し屋の襲撃を悠々と回避して片手間に返り討ちにしていく』というアクションシーンなんかは、なかなかユーモアセンスがあって面白いです。
また、銃撃や爆弾、刀や銛といった様々な武器を使って襲撃してくる殺し屋軍団もキャラが立っていて、タイムループで延々と繰り返されるアクションシーンを観ているだけでも割と楽しめる印象。
しかしアクション要素のみのバカ映画かと思いきや、ストーリーは意外と人間ドラマ的な要素が強めで、割とシッカリと家族ドラマやら親子ドラマやらが描かれている辺りのギャップも悪くありません。
ただ逆にSF的な要素やら謎解き要素は割と適当で、主人公があまり真剣にタイムループの謎を解こうとしている雰囲気が無くて、なんか場当たり的にお話が進んでいる印象を受けてしまったのは残念なところ。
元妻が量子論を研究留守物理学者だったり、都合よく主人公が特殊部隊員だったり、全体的にちょっと都合の良すぎる設定がすぎる部分が多いですし、敵の黒幕なんかも妙に影が薄くてラストの展開もちょっと盛り上がりに欠ける部分があった(ようやく真実にたどりついた感が薄い)ので、この辺はもうちょっとシッカリと作り込んでも良かったんじゃないかなぁ?
ラストのオチも悪くない落としどころながらも、ちょっと投げっぱなし感があったので賛否両論別れそうな印象だったのも、ちょっと気になるところでしたよ。
総評としましては、絶賛とまではいかないものの『そこそこ楽しめる内容のループものでTVゲーム風味のアクション映画』という感じの作品ですね。
アクション映画としては間違いなくオススメできるのですが、ループものサスペンスとかSFサスペンスとかが好きなひとは、ちょっと物足りなさを感じてしまう内容かも?
まあ普通に面白い作品ですし、お馬鹿系アクション映画とかが好きな人であれば間違いなく楽しめる映画だと思いますので、『殺し屋軍団とのタイムループバトル』という設定が気になっている人やそういうジャンルが好きな人であれば、観ておいて損は無い一本だと思いますよ。