■■■「スカイハンガー」■■■
(45点/サスペンス)
地中海のリゾート地に訪れたケイトは、バーで知り合ったミラとその知人の男性たちに誘われて、男女4人で気球に乗ることとなる。
しかし操作ミスによって気球は風力発電用の巨大風車の羽に接触し、気球の操縦ができる男性の2人が死亡するという事故が発生。
気球は風に流されるがままに地中海の上空は漂流しはじめてしまう。
2人は気球が燃料切れで海の上に墜落してしまう前に、なんとかして海上の船や周囲の人間に助けを求めようとするが…
事故により気球で海上を漂流することになってしまった2人の女性が、なんとかして危機を乗り越えようとする…という、パニック系サスペンス映画。
いわゆる気球を題材としたワンシチュエーション系の閉鎖環境型パニック映画なのですが、なんでもキプロスで作られた作品のようです。
まあキプロスと言われても、個人的には『ギリシャの辺りにある地中海のリゾート地』という程度の印象しか無いのでいま一つピンと来ない訳ですが、欧州作品だけあってやや独特のノリや雰囲気を感じる内容になっている印象。
お話としては、『とある女性2人がバーで知り合った男性と一緒に気球に乗りに出かけるんだけど、男性は実はそこまで気球に詳しくない整備士で操作のミスから気球が漂流を開始。風力発電の風車に接触して男性たちが死亡してしまった事から気球は操作不能となってしまい…』みたいな感じの展開。
『漂流する気球のゴンドラの上』という特殊な環境を舞台にしているものの、基本的にはオーソドックスな閉鎖環境タイプのパニック映画といった感じで、『主人公たちが様々なトラブルに遭遇しつつもなんとかして生き延びようとする』というストーリーな訳ですが…
サイドストーリー的に『バーで出会った女性が実は窃盗団の一味で主人公のホテルの部屋の金品の盗難を目論んでいる』という、本編の流れと関係があるようなそこまで関係が無いような微妙な設定があったりして、お話に変化や個性を持たせようとしている雰囲気は感じとれます。
とはいっても、この手のワンシチュエーションスリラーにありがちな不満点は本作も抱えており、パニックシーンが始まってから終わりまで状況や環境にあまり変化が無いため、観ていてちょっと退屈さを感じてしまうんですよね。
また、本作の山場となるであろう『足場の悪い高空での作業やサスペンスシーン』が、思いっきりグリーンバック(ブルーバック?)合成まる出して、全く緊迫感が感じられないのは困りもの。
そこはもうちょっと、CGなり高所でのスタントを頑張るなりして欲しかったです。
ただ主人公たちが割と賢くて、ピンチを創意工夫でなんとかして乗り切ろうとするようなシーンが多く、この手のパニック映画にありがちな『主人公がバカすぎてイラつく』みたいなシーンが殆ど無いのは悪くない印象。
もう一人の主人公と言える『主人公の妹』が、行方不明の姉を救出するために奔走するという展開も、お話に変化を持たせようと工夫している感があって悪くありません。
総じて、もうちょっとテンポが良くて見せ場となるシーンがシッカリと描かれてたら、割と良い感じの作品になったんじゃないかとは思うので、ちょっと残念な映画でしたよ。
総評としましては、全体的に『いま一つ盛り上がりに欠ける低予算パニック映画』って感じの作品ですね。
狙ってる方向は悪くないとは思ったのですが、退屈な部分も多いのでちょっとオススメするには辛い内容かなぁ?
物足りなさが残るというだけで特に酷い出来の作品という訳でも無いので、設定やらシチュエーションやらが気になるようであれば、チェックしてみても良いかもしれませんよ。