NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」(60点/パニック:結構オススメ)

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■■■「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」■■■
(60点/パニック:結構オススメ)


 友人の結婚式に出席するためインド洋に浮かぶ南の孤島へ行くこととなったサラは、当日に寝坊して島への連絡船を逃してしまったため、知己の友人であるフレディの小型飛行機で式場まで向かう事となる。


 しかし折り悪く、かつての恋人のジャクソンと同乗することとなった事から、どことなく気まずい雰囲気のまま飛行機は離陸する事となるが、そんな矢先にパイロットのフレディが心臓発作で急死。


 免許は持っていないもののフレディから飛行機の基本的な操縦を習っていたサラは、なんとか機体を持ち直して墜落は免れるが、計器も故障して陸地の方向も分からないままに飛行機の燃料切れの時間が迫るなかで、生き延びるために重大な決断を迫られる事となっていくのだった…

 


 インド洋上空でパイロットの急死したセスナに乗り合わせた元恋人のカップルが、なんとかして思わぬ災害から生き延びようとする…という、災害パニックものサスペンス映画。


 最初に付けられた邦題が「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」だったのですが、実は『セスナ』が商標でタイトルに利用できない事が判明した事から現在の邦題になったという、物凄くどうでもいいエピソードで何故かタイトルだけは有名になってしまった作品ですね。(笑)


 ただ、こんなアホみたいなタイトルの割に、実際の中身の方は小粒ながら物凄くマジメにシッカリと作られた良作の災害パニック映画という感じの内容だったりします。


 お話としては、『とある元カップルが小型飛行機で孤島の結婚式場に向かおうとしたところ離陸直後にパイロットが急死。なんとかして直後の墜落は免れる事に成功したものの、更なるトラブルが彼らに次々と襲い掛かり…』みたいな感じの展開。


 設定からして、なんとなく『低能なカップルが事故を契機に痴話ゲンカして勝手にピンチに陥ったりする感じの話なのかな?』とか思っていたのですが、そういう低能っぽいノリではなくてマジメなカップルが真剣に予期せぬトラブルと向き合うガチなストーリーという印象。


 パイロットの急死』に始まって次々と襲い掛かるトラブルに、主人公たちが冷静に向き合いながら、ある時は知恵を振り絞りある時は身体を張って乗り越えようとするという展開は意外と熱いです。


 主人公たちを襲うトラブルも、航空機のののワンシチュエーションもののパニック映画として思いつく限りのありとあらゆるトラブルが襲って来るみたいな感じで、ラストまで逆境百連発的なノリで非常にテンポが良くて退屈する暇(いとま)もないのは良く出来ています。


 また展開に意外性はないものの、序盤や途中の伏線もシッカリと回収されていたりする辺りも好感触。


 主人公と元カレの2人のカップルも、イラつくような若者という感じでは無くて『ちょっとした意見のすれ違いから別れる事となったマジメなカップル』という感じの割と好印象なキャラとして描かれており、恋愛ドラマや人間ドラマとしても意外と良く出来ているんですよね。

 

 ただ、低予算映画としては非常に良く出来ている作品ではあるのですが、低予算ゆえに『小粒な内容』というのはやはり避けられない部分という感じ…


 お話がマジメであるがゆえに余計に、パニック映画としては全体的に迫力のある映像等に乏しくて、スペクタクル的なシーンも盛り上がりに欠ける印象があるんですよね。


 もうちょっと予算があって、迫力のあるようなシーンもシッカリと撮られていたらかなりの名作になっていたんじゃないかという気がするので、ちょっと勿体なさを感じてしまう映画でしたよ。

 

 

 総評としましては、『小粒ながらもなかなか良く出来た航空機もの災害パニック映画』という感じの作品ですね。

 

 コメディでもないのに『なんでこんなアホみたいな邦題をつけてしまったのか?』という印象は受けますが、まあ逆にタイトルで注目を集める事はできたのである意味で成功とは言えるのかも?

 

 航空機系の災害パニック映画とかのジャンルが好きな人であれば、割と普通に楽しめる内容だと思うので、そういう作品に興味があれば普通に観ておいても損は無い一本だと思いますよ。