■■■「アサルト33:要塞病棟」■■■
(55点/アクション)
クリスマスを目前に控えたある日、退役軍人であるジェイソンは戦地でのPTSDの治療のために、妻のジェブファーの勤める退役軍人病院である『VA-33』へと向かう事となる。
しかし、そんな矢先に国際テロリストであるラビコフの部下たちが、武装して病院へと侵入。
軍の幹部である政府要人と職員たちを人質にとり、政府を相手に身代金と仲間の身柄の解放を要求。
非常事態にいち早く気づいたジェイソンは、なんとかしてテロリストたちの手から妻や人質たちを救出しようと、単身で行動を開始するが…
クリスマスにテロに巻き込まれて病院内で妻を人質に取られた元軍人の男が、単身でテロリスト集団へと立ち向かう…という感じの、サスペンス風味のアクション映画。
何か『クリスマス』とか『テロリスト』とか思いっきりどこかで聞いたような設定の既視感を感じまくるお話ですが、設定だけでなくて実際の中身の方も『地味でショボくなったダイ・ハード』というような感じの作品です。
タイトルも「アサルト13 要塞警察」のパクリっぽいですし、なんというかタイトルも中身も含めて『ザ・低予算』って感じのアクション映画ですね。
ただ、お話のプロット自体は物凄くどこかで聞いたような感じで、舞台が退役軍人病院になっただけでプロットは「ダイ・ハード」そのまんまなのですが、主人公や敵役のテロリストも含めて意外とキャラが良く立っており、アクション映画としては普通に観れる内容という印象。
お話のテンポも良くてサクサクとお話が進んでいくのに加えて、要所要所にそれなりに見どころがあって最後まで退屈せずに楽しめるのは悪くない印象。
主人公や登場人物の過去とか掘り下げも、テンポが悪くならない程度にお話に組み込まれており、製作スタッフのバランス感覚の良さを感じさせます。
ただ、テンポは良くてそれなりに楽しめる内容ではあるのですが、全体的にとにかく地味なのは困りもの。
銃撃シーンや爆破シーンも規模が非常に小さくて全く迫力が無いですし、アクションシーンや格闘シーンも動きが非常にモッサリとしておりシャープさやパワフルさが全く感じられません。
描きたい方向性は分かるのですが『予算が無かったんだろうなぁ…』というのが如実に感じられてしまう部分が多くて、何と言うかちょっと悲しくなってしまう作品でしたよ。
まあ、予算が潤沢にあったとしても「ダイ・ハード」の焼き直しという印象は避けられなかったと思うので、予算の要素を抜きにしてももう少し本作ならではの個性が欲しかったところではありますけど…
総評としましては、良くまとまってはいるものの『ちょっと地味で盛り上がりに欠けるアクション映画』ってのが正直なところですね。
まあ低予算アクション映画としての完成度は低くないので、息抜き程度に観るには良い作品かもしれませんが、敢えて本作を推す程の個性を感じさせる部分が無いのは微妙なところかなぁ?
気になるようなら観るのを止める事はありませんが、急いで見るほどの内容でもないので、まあ『お好みで』といった感じでしょう。