NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「オールド」(65点/サスペンス:結構オススメ)

f:id:uei_nanigashi:20220227053534j:plain

■■■「オールド」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)


 南海の孤島のリゾートホテルに2人の幼い子供たちと一緒にバカンスに訪れたプリスカとガイの夫婦は、ホテルのオーナーの勧めでホテルから離れた場所にある静かなプライベートビーチを利用させて貰える事となる。


 数名の他の家族と一緒に岩山の奥の隘路(あいろ)を抜けた崖に囲まれた場所にあるビーチに到着し、家族水入らずで休暇を楽しむ彼らだったが、砂浜で身元不明の女性の遺体を発見。


 驚いて警察に連絡しようとするも携帯の電波が繋がらないことから、ビーチから出てホテルに向かおうとするが、岩山の隘路を逆方向に進もうとすると激しい眩暈に襲われて意識を失ってしまうという謎の現象に遭遇し、途方に暮れてしまう。


 更に、ビーチを訪れた家族のウリ高齢の女性客が死亡したうえに、6歳ぐらいだった子供たちが10歳を超えた姿に急成長しているという異常事態に遭遇。


 このビーチでは『約30分に1年分という異常な速度で肉体の老化が進んでいく』という不可思議な現象が発生していると気付いた彼らは、極限状態てパニックに陥りながらも、なんとかしてビーチから脱出しようとするが…

 


 『異常な速度で肉体が老化していく』という奇妙な現象の発生するビーチに閉じ込められた家族たちが、なんとかして魔のビーチから脱出しようとする…というサスペンススリラー映画。


 シックスセンス」や「サイン」という、奇抜な設定のサスペンス映画を撮る事でお馴染みのM・ナイト・シャマラン監督による新作ですが、今回もなかなかに個性的な設定の作品となっています。


 お話としては、『とある数組の家族か秘密のプライベートビーチにバカンスに招待されるんだけど、実はそのビーチは「肉体が30分で1年分老化していく」という現象の発生する不可思議な場所で、ビーチに閉じ込められた家族たちは老化に伴う奇妙な現象に悩まされながらも、なんとかしてビーチから脱出しようとするが…』みたいな感じの展開。


 『肉体が恐るべき速度で老化していく』理由に関しては、本編中でそれなりに説明はされているものの、ややSFとかファンタジーの入ったような設定ではあるのですが、その辺はアクマで『舞台装置』的な設定という感じで、メインのストーリーとしては『極限状況に置かれた人々の姿を描いたサスペンス』とか『家族ドラマ』が中心のお話といった印象。


 『肉体の急激な老化や成長に伴うトラブル』というのを題材としているのですが、普通のシチュエーションでは想像もしないような現象やアクシデントの連発インパクト抜群で、なかなか怖いうえに面白いシチュエーションが多くて予想以上に楽しませてくれます。


 この手の極限状況を描いたパニック映画って、『お前らもうちょっと落ち着けよ』と思うような展開が多いのですが、本作の場合は発生する現象が突拍子も無さすぎるせいて『そりゃみんなパニックにも陥るわ』って感じで無駄に説得力があります。


 メインのストーリーとしては、パニック要素と並行して『このビーチから脱出する方法はあるのか?』という部分と『なぜ彼らはこのビーチに連れてこられたのか?』といった部分が謎解き的な要素として進んでいくのですが、主人公たちが単純にパニックに陥って狼狽しているだけじゃなくて、海を泳いだり崖を上って脱出を試みたりと色々なトライを繰り返してくれるので、観ていて非常にテンポ良く飽きない作りになっているのも良い感じ。


 主人公たちのキャラの掘り下げなんかもシッカリとしており、家族ドラマ的な内容も割とキチンと描かれているのは好印象。


 ただ、サスペンスとしては独特のシチュエーションやら意外性があって面白かったのですが、最後の謎解き部分が矢鱈と唐突で説明的な感じなのはちょっと気になったかなぁ?
 謎解きに関しては、もうちょっと伏線とかが貼られてても良かった気がしますよ…


 あと、ラストの展開はキレイな終わり方ではあるのですが、ちょっとだけ好みの別れる部分はあるかもしれません。(トンデモ設定の映画ではありがちな部分ではありますが…)

 


 総評としましては、奇抜な設定が面白い『ミステリアスな雰囲気の良作サスペンススリラー映画』という感じの作品ですね。


 設定がちょっと特殊すぎるきらいはあるものの、逆にこの奇抜さがハマれば楽しめる作品だと思いますので、設定やらストーリーやらが気になっているようであればチェックしておいても損は無い一本だと思います。


 というか、このところやや不発気味だったシャマラン監督としては、久々に『他人にお勧めしやすい良作』という印象なので、特にシャマラン監督が好きな人であれば間違いなく楽しむことが出来る新作という感じではないでしょうか?