NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラノーマル・アクティビティ7」(50点/オカルト)

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■■■「パラノーマル・アクティビティ7」■■■
(50点/オカルト)


 赤ん坊の時に両親に捨てられたマーゴは、自分の過去を探るために恋人のクリスと共に、母親が過去に暮らしていたというアーミッシュの集落である『ベイラー・ファーム』を訪れる事となる。


 集落の様子を撮影しつつ、母親の過去と自分のルーツを探っていく彼女たちたったが、集落の人々の不審な行動や不気味な現象に次々と遭遇し、やがて、この集落に何か『恐ろしい秘密』が隠されているのではないかと疑いを抱くようになっていくのだった…

 


 過去に両親に捨てられた少女が、自分のルーツを探るために母親の出身地であるコミュニティを訪れたところ、そこで恐るべき事態に遭遇することとなる…という、オカルトホラー映画。


 『実録映像』テイストのホラー映画である「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの最新作となる作品ですが、いつの間にやら本作も既に7作目となっていたようです。


 もはや、自分も何作目まで観たのかすら覚えていないレベルだったりしますが、本作(7作目)は原題のサブタイトルにも別作品っぽいタイトルが付いており、実際の中身の方もシリーズ的にお話が繋がっている部分も無さそうな雰囲気ですね。


 そもそも『監視カメラの映像』を編集したというコンセプトも無くなってて『手持ちカメラの映像を用いたなんちゃってPOV』みたいな内容になっており、もはや『シリーズ名を使う意味があるのか?』ってレベルで別作品なのでシリーズを全く観てなくても問題ないでしょう。


 お話としては『自分のルーツを探るためにアーミッシュの集落を訪れた少女が、そこで母親の過去を探るうちに集落に隠された恐るべき秘密を知る事となる…』みたいな感じの内容。


 アーミッシュの人々の自然主義で牧歌的なんだけど、どことなく不気味な雰囲気』とかは上手く表現されており、主人公たちが非日常的な『異界』に迷い込んでしまった的なテイストは良く出ています。


 主人公たちの主観視点で撮られたPOV形式の映像も、どこか異様なコミュニティの姿をリアルに記録している感じになっており、なかなか悪くない印象です。
 (そいうえば「クライモリ」の2021年版もアーミッシュの集落が舞台となっていましたが、ホラー業界では最近の流行りのテーマなんでしょうか?)


 お話としては、主人公が『自分の両親にまつわる隠された秘密』を探る形でお話が進んでいくのですが、構成的に『謎解きをしている』というよりも『状況に流されているうちにお話が進んでいる』みたいな感があったので、もうちょっと謎解き的な要素があっても良かったかも?


 POV形式のカメラ映像という設定の割には、カメラアングルとかが非常に凝っており観やすい作りになっているのは、画面酔いしやすい人でも安心して観れる作品という印象。(むしろ終盤以外はPOV的なテイストが殆ど感じられないので、実録POV系の作品が好きな人には物足りないかも?)


 ただテイストやら雰囲気やらは悪くないのですが、いかんせんお話の展開が遅いのは難点で、特に序盤~中盤にかけては前述のとおりにたいした謎解き的な要素も無くコレといった事件も起こらないため、冗長なシーンが多くてどうにも退屈です。


 お話が動き出す終盤の展開は予想以上に派手で面白いのですが、割と動きの激しいシーンがPOV的な演出で描かれるため、何が起こっているのか判然としないようなシーンが多いのは難点かも?


 あと中盤までのシーンで、矢鱈と『デカい音』で視聴者を驚かせようとするショッカー演出が多用されているのも微妙なところかなぁ…


 POV形式で『主人公たちが手持ちカメラで撮っている映像』という設定のはずなのに、ビックリシーンで唐突にどこからともなくデカい効果音が鳴るせいで『いやいや、実際にはそんな音、どこでも鳴っとらんやろ!?』とツッコミを入れたくなりましたよ。


 また、迫力あるシーンを描きたかったのかもしれませんが、POVの筈なのに唐突に『スローモーション演出』とか混ぜるのは流石にいかがなものかと?(笑)

 (スローモーションカメラの説明は、確かに途中であったけど…)


 オチの落としどころとかラストの派手な展開とかは割と好みな感じだったんですが、ちょっとだけ作品コンセプトと演出が噛み合ってなさそうなところがあったのは気になった部分かなぁ?

 


 総評としましては、『まあまあ普通に観れるレベルのPOV風味のオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。


 やや冗長ながらも、雰囲気も悪くないですし終盤にはそれなりに見どころもありますし、この手のカルト系ホラー映画としては及第点という印象。


 ただ、『もう「パラノーマル・アクティビティ」ってタイトル付ける意味無かったんじゃない?』ってのも正直なところなので、シリーズが好きな人が敢えてチェックする意義があるかと問われると微妙なところ…


 むしろシリーズの事はいったん忘れて、作品のコンセプトやらテイストやらが気になるようであればチェックしてみても良いかもしれませんよ。