NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アクセル・フォール」(20点/サスペンス)

f:id:uei_nanigashi:20220411004533j:plain

■■■「アクセル・フォール」■■■
(20点/サスペンス)


 深夜に薄暗い密室の中で目隠しされ拘束された状態で目覚めたアリアは、なんとかして自力で拘束をといたところ、自分が超高層ビルのエレベーターの中に閉じ込められている事に気づく。


 エレベーターは急上昇と急降下を繰り返し、彼女は落下によって徐々にダメージを負っていくが、そんな最中にエレベーターのディスプレイに父親が何者かに拷問されている姿が映し出される。


 父を拷問している男たちから、父が実はCIAのエージントで情報を引き出すために自分も人質として監禁されている事を知らされた彼女は、なんとかしてエレベーターからの脱出を試みるが、そんな矢先に母親から『双子の妹のザラを探せ』という謎のメッセージが届き…

 


 急上昇・急降下を繰り返す超高層ビルのエレベーターに監禁された少女が、なんとかして危機から脱出を図る…という、シチュエーションスリラー風味のサスペンス映画。


 『主人公が原因不明のまま急降下するエレベーターに閉じ込められる』という設定だけ聞くと、割と普通のワンシチュエーションもののスリラー映画っぽい印象を受けるのですが、実際の中身の方は予想の斜め上というか斜め下というか、シチュエーションスリラーとはベクトルの相当違う感じのトンデモ系の作品です。


 作品の感想を語るうえでネタバレを含まないと感想が書きづらい内容な事と、ぶっちゃけ『この作品のネタバレを喰らったとしても困る人が居るのか?』という点で微妙なため、最初からネタバレ込みで感想を書かせていただきますが…


 ぶっちゃけてひと言で言うならば、『何じゃこりゃ?』という以外に言いようが無いようなお話という印象。


 主人公がエレベーターに監禁されている理由は、最初は不明なものの割とスグに悪役が登場して解説してくれるために判明するのですが、その理由が『父親が実はCIAのエージェントで、父親を拷問するために敵の組織に捕らえられている』という、この時点で既に割とトンデモな設定。


 いきなり『父親が実はCIAのエージェントでした』とか言われても、唐突過ぎてお話に着いていけない感じではあるのですが、更にお話が進むに従って『主人公が実は物凄い能力を持った超能力者だった?』みたいな感じの伏線が徐々に語られていきます。


 この時点で壮大な設定のトンデモ系作品の臭いがプンプンしてるのですが、設定の壮大さに反してお話の中身が『物凄く地味』なのは困りもの。


 密室のエレベーターの中を舞台に、『モニター越しに親父が殴られる現場』を見せられながら、ひたすら『急上昇と急降下を繰り返す嫌がらせ』を受け続けるという展開が延々と続くのみで、世界観的な広がりも殆ど無いせいで観ていてどうにも退屈です。


 一瞬だけエレベーターから出てエレベーターシャフトを登るような場面もあるのですが、何故かすぐにエレベーターの中に戻ってきてしまうので、とにかく場面に変化が無くてビジュアル的に面白味に欠けるんですよね…


 ちなみに、前述した主人公の『超能力』に関するシーンはちょくちょく挿入されるのですが、割と尺を取られる割には具体的にどういう能力なのかの説明とかも殆ど無し。


 退屈なシーンをダラダラと見せられながら話が進んでいくのですが、どういう落としどころになるのかと思いきや…ラストの5分ぐらいで唐突に記憶を取り戻して物凄い超能力に目覚めた主人公が、自力でエレベーターから脱出して悪人どもを撃退。


 『実は世界を救う使命を帯びた超能力者だった』みたいな設定が唐突に語られて、『俺たちの戦いはこれからだ!!』的な超投げっぱなしエンドに突入して終了という、あまりにも唐突なオチには流石に呆然としてしまいましたよ。


 なんというか終始退屈なうえに、トンデモストーリーによる物凄い視聴者置いてきぼりの展開の連発で、割とガチで途中で早送りしたくなった作品でした…

 


 総評としましては、『どうにも退屈な内容のSF風味のシチュエーションスリラー映画』って感じの作品ですね。


 設定だけ聞くと意外と面白そうな雰囲気も受けるのですが、実際の中身の方は『シチュエーションスリラー要素』と『SF要素』が全く噛み合っていないため、どちらのファンにもオススメし難い内容なのが困りものです。


 敢えて『トンデモ系でツッコミ要素満載の映画を観たい…』とかって理由でもなければ、普通にスルーしてしまって全く問題の無い一本だと思いますよ。