NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ダンジョン・クエスト」(45点/アクション)

■■■「ダンジョン・クエスト」■■■
(45点/アクション)


 ゲームの開発者を目指しつつゲームショップでバイトをするマックスは、ある日、謎のスーツ男が店に置いていった返品用の段ボールのなかから「ネザー・ダンジョン」というソフトを発見する。


 それは、かつてゲーム史上に残る伝説のクリエイターによって製作されたものの、様々なトラブルから世に発売されないままに消滅したという幻のソフトであった。


 ゲームを持ち帰った彼は興奮冷めやらぬままゲームをプレイし、ロムを解析してそのソースコードをネットに公開するが、彼のアップロードしたゲームをプレイした人々が、闇の力によって操られ狂暴化。


 更には、彼のライバルがソースコードにウイルスを仕込んで拡散したせいで街はパニックに陥ってしまう。


 彼は、同じ職場で働くオンラインゲーム仲間のリズとレジーと共に、「ネザー・ダンジョン」に秘められた謎を解き、なんとかして街を元に戻そうと行動を開始するが…

 


 ゲーマーの青年が、奇妙な事故によって発売されないまま消滅した『幻のゲーム』を手に入れたところ、そのゲームには恐るべき『闇の力』が封印されていた…という感じの、ビデオゲームを題材としたコメディ風味のアクション映画。


 ジュマンジ」的な『魔力を込められたゲーム』を題材とした作品なのですが、「ジュマンジネクスト・レベル」のようにゲーム世界で戦うという感じじゃなくて『ゲームの呪いが現実に浸食してくて、収拾をつけるために奮闘する』みたいな感じのストーリーの作品です。


 本作の特徴は『ゲームマニアが作った映画なんだろうなあ』というのが如実に感じられる作品だというところ。


 主人公が『オンラインゲームのクランのメンバー』のうえに、『ゲームショップの店員という筋金入り』のオタクで、主人公たちと協力して事件を解決しようとするのも『往年の伝説ゲームプログラマーという設定だったりと、とにかくひたすらオタクたちが活躍するストーリー。


 作中のポスターやらゲーム画面やらの小道具やら、登場するゲームショップの名前やらも『どこかで見たことのあるもの』ばかりで、ストーリーから小ネタまで含めてゲーム好きならニヤリとさせてくれる部分が多いです。


 他にも、作中で主人公たちがニンテンドーの宮本氏を礼賛するようなシーンがあったり、まあとにかく製作者がゲームマニアでゲーム好きなのは良く伝わってきます。


 ただ、その要素が作品に上手く活かされているかというと、微妙なところなんですよね。


 『ゲーム世界の現実への浸食』と戦うという設定の割に、ゲーム的な戦闘シーンとかはあまりなくて、『謎解き的な考察シーン』やら『修正のためにプログラミングをする』みたいなシーンの方が多くて、ゲーム的な面白さが無くて観ていてどうにも地味です。


 更には、何故か主人公たちの人間ドラマ的な要素が矢鱈と長く、会話シーンばかりが多くて、どうにも冗長なんですよね。
 『街がゲーム世界化した』みたいな設定なんだかた、もっとゲーム的な楽しさを感じさせるような要素を多く盛り込んで欲しかったところです。


 最終決戦の辺りで、ちょっとだけ『ゲーム世界で戦う』みたいなシーンがあって割と盛り上がったりするのですが、流石にシーンが短いうえに盛り上がる要素が少なすぎて物足りない作品というのが正直なところ。


 オマケのNGシーンとかで、『よくこんな低予算で作れた!!』みたいな話をしているカットがあったりしたので、派手なシーンを作るには予算が厳しかったんだろうなぁ…とは察するのですが、ゲームが題材なんだからもうちょっと頑張って楽しい内容にして欲しかったですよ。(まあ流石に「レディプレイヤー1」みたいな完成度は要求しませんが…)

 


 総評としましては、どうにも『見せ場に乏しく盛り上がりに欠けるゲーム風アクション映画』というのが正直なところ。


 プロットやら美術デザインやらに『ゲーム好きの拘り』を感じさせる部分は多いので、昔のビデオゲームが好きな人であれば割と楽しめる要素はあるのですが、肝心の映画そのものが微妙な内容なのでオススメするには弱い感じ…


 設定やらを含めて気になるようであれば観るのを止めるほどではないですが、色々と物足りない部分も多いため『まあお好みで』って感じの一本でしょうか?