NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「怨霊屋敷/シークレット・マツシタ」(55点/オカルト)

■■■「怨霊屋敷/シークレット・マツシタ」■■■
(55点/オカルト)


 2013年のペルーの首都リマ。
 ヒメナ、ファビアン、ルイスたちの撮影チームは、オカルトのドキュメンタリー映画を撮影するために、地元で幽霊屋敷とウワサされる『マツシタ邸』へと入り込んで、幽霊屋敷の調査の様子の撮影を行う事となる。


 その場所は、かつて日本人の一家が住んでいたが父親が発狂し妻と子供たちの家族全員を惨殺したという事件や、その他にも様々な言い伝えがあり、数々の、心霊現象の目撃が報告されている場所だった。


 彼らは霊媒師のオスカルと共に幽霊屋敷の調査を開始するが、屋敷へと侵入した彼らを想像を上回る様々な現象が襲い始め…

 


 南米のペルーにある幽霊屋敷『マツシタ邸』に調査に訪れた撮影チームが、屋敷の中で様々な恐るべき現象に遭遇する…という、ファウンドフッテージもののオカルトホラー映画。


 いわゆる『撮影者が行方不明になった後に発見されたフィルム』という設定のファウンドフッテージ』タイプのPOVホラー映画で、手っ取り早く説明するなら「グレイヴ・エンカウターズ」のペルー版みたいな感じの作品ですね。


 ファウンドフッテージもの』の作品自体は既に各所で大量に作られているので特に目新しさも無いのですが、ペルー製というのはちょっと珍しいのに加えて映画そのものは『意外とシッカリと作り込まれたオカルトホラー映画』という感じで、なかなか悪くない印象の作品です。


 舞台となる『マツシタ邸』の長年に渡って人が踏み入っていない廃墟という感じも良く出ていますし、人里離れた山中みたいな場所じゃなくて『街中にあるいわく付きの建物』みたいなロケーションも妙なリアリティを感じさせてくれます。

 

 オカルト演出や雰囲気作りも派手さは無いものの要所要所はシッカリと押さえている感じで、退屈しない程度にはお話を盛り上げてくれて悪くありません。


 序盤~中盤はあまり事件とかも起こらずにやや冗長な感じではありますが、終盤にかけての『怒涛の展開』みたいな流れはなかなか面白くて、予想以上に楽しませてくれるのは良い感じ。


 短い尺の中で幽霊屋敷のバックボーンとかも割とシッカリと語られており、ちょっとした謎解き要素なんかも仕込まれていたりと、お話の構成も上手くてなかなか良く出来ている印象。


 POV(主観カメラ映像)が中心の割には見せ方も工夫されており、画面酔いするような見辛い感じになっていないのも良く作られていますし、低予算ながらも全体的にシッカリと作られているのを感じさせてくれます。


 ただ、日本人屋敷が舞台になってる割には日本要素は意外と薄め。


 むしろ、ちょっと『勘違いした日本テイスト』がところどころに感じられて、日本人から見ると違和感がある…というか、ちょっと笑えるような要素になってしまっているのは困ったところ。


 オチの落としどころとかも上手かったのに、エンディングで唐突に『謎の日本語ソング』が流れてみたりとかヘンテコな部分もあったりするので、現地メンバーにもうちょっとJホラーに詳しい人とかは居れば良かったのになあ…と(笑)

 


 総評としましては、低予算ながらも『なかなか良く出来たファウンドフッテージもののオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。


 ファウンドフッテージ作品やPOV作品が好きな人であれば、そこそこ楽しめる内容だと思いますし、自分的にはペルー製のホラー映画自体があまり観た記憶が無いので、目新しさ的にもオススメできる部分はあるかと…


 まあ強くオススメするには弱いですが、気になるようであればチェックしておいても損は無いタイプのオカルトホラー映画だと思いますよ。