NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スクリーム (2022) 」(55点/スラッシャー)

■■■「スクリーム (2022) 」■■■
(55点/スラッシャー)


 25年前に幽霊マスクの殺人鬼『ゴーストフェイス』による連続殺人のあったウッズボローの町に住むティーンエイジャーのタラは、深夜にかかってきた謎の電話でゲームをする事を要求された後に、『ゴーストフェイス』の仮面を付けた何者かによって襲撃を受ける。


 タラは辛うじて一命をとりとめるが、タラの姉のサムは『何者かがかつての連続殺人事件を模倣してウッズボローの若者たちを狙っている』と考えた事から、妹の命を守るためにかつての事件の生き残りである元保安官のデューイに助けを求める事となる。


 事件の知らせを受けたデューイは、同じように過去の事件の生き残りであるシドニーとゲイルに町に来ないように告げ、過去の確執を断ち切るべく事件の調査へと向かうのだった…

 


 ゴーストフェイス』による連続殺人事件から25年後に同じ町でかつての事件を模倣した殺人事件が発生し、かつての当事者であるデューイやゲイルたちが犠牲者と共に事件の謎を追う…というスラッシャーホラー映画。


 ウェス・クレイヴンによる傑作サスペンス系スラッシャーホラーである、「スクリーム」シリーズの最新作に当たる作品で、最近流行っている過去の人気作の『リブートもの』のシリーズの一本ですね。


 お話的にも過去作と繋がった作品となっており、かつてのシリーズのヒロインやら生き残りやらが再び登場したりする辺りからし「ハロウィン」のリブート版に近いイメージの作品かも?


 作風的にも、割とシッカリと過去のシリーズのパターンやらお約束を踏襲した作りになっており、『果たして殺人鬼は誰なのか?』を主人公たちが調査しながらお話が進んでいくという構成に加えて、『ホラー映画のお約束』の解説なんかもシッカリと作中で語られる辺り、予想以上にキチンとした続編という印象。


 また『ホラー映画のお約束』の部分が、シッカリと『リブートものや長期シリーズホラー映画のお約束』になっていたのは、ちょっと笑ってしまいました。
 この辺は『「スクリーム」のシリーズの事を良く研究してるな』という印象。(旧シリーズの2や3でも、主人公たちはシッカリと『続編のお約束』に従って行動していた。)


 あとリブートらしく、ちょっと残虐描写なんかが強めになっている印象ですが、まあこの辺は時代の流れかな…という感じ。


 気になった部分としては、作中で過去シリーズの主人公たちの役割として占めるウェイトが非常に高くて、ほぼ主役のような扱いになっていた事。


 「ハロウィン」のリブートのように『過去の確執を断ち切るため』みたいな目的があるのなら良いのですが、そこまで強い動機がある訳でも無い割にはちょっと目立ちすぎな感じで、本作の主人公の影が薄くなってしまっているんですよね。


 過去シリーズのファンとしては嬉しいのですが、作中でも言われてたとおりに旧作の主人公たちが目立ちすぎているせいでちょっと『マンネリ』な部分を感じてしまったので、もうちょっと新しい主人公をシッカリと掘り下げて欲しかったところです。


 また犯人や事件の真相に関しても、ちょっと唐突で弱い印象があったので、もうちょっと伏線とか凝った設定があっても良かったかも?


 あと割とどうでも良い事ですが、今回の殺人鬼は妙にヘタレで『反撃されてピンチに陥る』ようなシーンが妙に多くて、見ていて『大丈夫かよ、もっと頑張れよ』と逆に心配になってしまったのは自分だけですかね?(笑)
 (まあ、新しい犯人の『未熟さ』を表現した演出なのかもしれませんが…)

 


 総評としましては、『そこそこ良く出来た過去の名作のリブート系のスラッシャーホラー映画』という感じの作品ですね。


 過去作のキャラがメインを張っていたりシリーズのオマージュ的なネタが多めだったりするあたり、基本的には『過去作のファンだった人向けの映画』という印象があるので、新規の人は過去作を観てからの方が楽しめる内容かも?


 でもまあ、シリーズを好きだった人であれば『お祭り企画』的なノリで普通に楽しめる映画だと思うので、気になっているのであればチェックしておいても損は無い一本ではないでしょうか。