NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「シン・アナコンダ」(35点/モンスター)

■■■「シン・アナコンダ」■■■
(35点/モンスター)


 大学教授のマローンと助手の学生たちは、遺跡調査のために南米のコロンビア沖合にある無人島であるエスカパダ島へと古代遺跡の調査のために訪れる。


 しかし調査開始の前夜、無人島だと思われていた島で遭難中のハンターであるホアキンと遭遇。
 『船が壊れたうえに相棒が蛇に噛み殺されたので助けて欲しい』という不穏な話を聞かされる。


 不気味に思いつつも彼を帰りのヘリの搭乗させる事とした教授たちだったが、翌朝の遺跡調査の前に教授が毒グモに噛まれるという事故が発生。


 解毒剤となる薬草を手に入れるために、ホアキンと共にジャングルへと踏み入った彼らは、そこでホアキンの相棒を噛み殺したという全長20mを超える巨大な大蛇に遭遇するのだった…

 


 遺跡の調査のために南米の無人島を訪れた大学の調査チームが、想像を超えるようなサイズの巨大な大蛇に襲われる…という、モンスターパニック映画。


 最近の巨大生物もののB級モンスター映画市場は、『巨大生物だったらとりあえず邦題にシンと付けとけば良いかな』みたいな適当な風潮があっていかがなものかと思う事が多いのですが…


 本作に関しては、実際の中身の方も低予算のB級モンスター映画でお馴染みのASYLUMによって作られた『適当な作りのモンスター映画』なので、まあ『適当なタイトルでも仕方ないか』と納得するような内容の作品でしたよ。
 ちなみに原題は「MEGABOA」なので、どちらかというと同社の「メガシャーク」とかに続く「メガ~~」シリーズの新作として作られた作品なのかも?(というか『アナコンダ』ってタイトルに付いてるのに、その実はアナコンダですらないんかい…)


 お話としては『とある大学の調査チームが南米の無人島のジャングルに遺跡の調査に訪れたところ、信じられないようなクソデカい大蛇が棲息していました』という、まあそれだけの内容。


 全長20mという無茶苦茶なサイズの割には大蛇の存在に何らかの存在理由(太古からの生き残り)やバックボーン(突然変異等)とかがある訳でもないので、唐突感がありまくりでリアリティもクソも無い設定なのですが、作中で教授が『ティタノボア(恐竜時代に生息していた全長15mの大蛇)よりも巨大なメガボアだ!!』みたいに語るシーンがあったりするので、作中で語られないだけでティタノボアの仲間の末裔みたいな設定なのかも?


 物語に関しては、先述のとおりストーリーらしいストーリーのようなものは無く、『学生たちがジャングルで大蛇に遭遇してなんとかして逃げ延びようとする』という殆どそれだけのお話。


 一応は『毒グモに噛まれた教授を救うため』みたいなお話を盛り上げようとする背景はあるのですが、どちらかというとハンターも主人公たちも状況に流されてるだけみたいなシーンが多くて、どうにもグテグテ感が強いです。


 むしろ大蛇の登場しない『仲間同士で口論しながらダラダラとジャングルの中を歩いているだけ』みたいなシーンが非常に多くて、観ていてとにかく退屈でダレてしまいます。


 ちなみに大蛇は当然ながらCGで描かれているのですが、予算の都合もあってか出番があまり多くなくて人間との絡みも少ないため、20mという巨大感があまり感じられないのも困りもの。


 ラストの対決シーンは少しだけ見どころがあるのですが、それ以外のシーンでは迫力が感じられないうえに襲撃場面の見せ方とかにもあまり工夫がないためどうにも面白味に欠けるんですよね。


 また登場人物たちのキャラの描写も微妙で、大蛇に復讐しようとするハンターとかヒロインっぽいキャラとかも居るのですが、この人たちのキャラの掘り下げも殆ど無いため登場人物の全員の影が薄いんですよね。


 途中で出てきた『暴風のため救助のヘリが来れない』みたいな設定もうやむやのうちに解決されてた感じでしたし、どうにも設定にもストーリーにも適当な要素が多すぎて、スッキリしない気分になる作品でしたよ…

 


 総評としましては、『グテグテな部分ばかりが目に付く低予算モンスター映画』って感じですかね。


 特に推すべきような要素も無いですし、B級というのもおこがましい『D級ぐらいの微妙さのモンスター映画』ですので、正直言ってあまりオススメは出来ない作品です。


 ネタ映画としても弱い内容ですので、よほど『ASYLUMの巨大生物ものは全部チェックするんだ』というような使命に燃えているのでもなければ、普通にスルーしてしまっても良いような一本ではないかと…