NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「人狼ゲーム 夜になったら、最後」(50点/サスペンス)

■■■「人狼ゲーム 夜になったら、最後」■■■
(50点/サスペンス)


 アメリカ北部の雪山の田舎町であるビーバーフィールドに赴任してきた森林警備隊のフィンは、任期の期間中は町の唯一のホテルであるビーバーフィールド・インで過ごす事となる。


 郵便配達員セシリーの案内で、変わり者ぞろいの町の住人を紹介して貰った彼は、その町が天然ガス会社のパイプラインの開発の反対派と賛成派で住民の意見が二つに割れており、何かとトラブルの種を抱えている事を知る。


 更に赴任の翌日に町は折からの猛吹雪で停電に見舞われたうえに、農場を営むトリッシュが『愛犬が何者かに殺された』という報告と共にホテルへと来訪。


 状況を確認するために町に見回りに出たフィンは、そこで町中の発電機が何者かに破壊されたうえにホテルオーナーであるジャニーンの夫が惨殺されているのを発見する。


 猛吹雪で町から出る事ができないうえに外部との連絡も取れない状況の住人達は、『このなかに殺人鬼が居るのではないか』という疑心暗鬼を抱いたままホテルへと集まる事となるが、そんな矢先に死体についていた体毛を調査した生物学者のエリス博士の分析から、犯人が『人狼』であるという事が判明し…

 


 吹雪に閉じ込められた町で『人狼』が潜んでいる事が判明した住人たちが、疑心暗鬼の末に醜い争いを繰り広げていく…という、サスペンスホラー映画。


 人気の推理ゲームである人狼ゲーム』を題材とした映画作品に当たるのですが、ぶっちゃけて言うとそこまで『人狼ゲーム』している訳でも無い、地味な閉鎖環境型のサスペンススリラーみたいな内容の作品という印象。


 人狼ゲーム』のルールを簡単に説明すると、参加者のうち何名かが『人狼』残りは『村人』となり、人狼側は自分が人狼だと気付かれないように慎重に行動しながら毎晩一人の村人を殺していき、村人側は状況を元に人狼が誰かを推理して怪しいと思われる犯人を排除していって、『最終的に人狼チームか村人チームの生き残った方が勝ち』というルールのゲーム。


 本作でも、『村人の中に人狼が潜んでいて夜になると住民を襲う』という根幹の部分はゲームと共通しているのですが、実際にゲームのシステムに則った要素はその部分のみという感じ。


 毎晩一人づつ犠牲者が出たり、村人が会議を開いて『人狼と思われる人間を吊るす』ような展開がある訳でも無くて、『極限環境に置かれた住人たちが勝手に疑心暗鬼に陥って争いだす…』みたいな感じの展開で、『犯人が人狼』という以外は『人狼ゲーム』的な要素のあまり感じられない普通のサスペンス映画になってしまっている印象。

 サスペンスとして面白いかと言われるとそれも微妙な感じで、ゲーム的なキャラ付けを意識してか、住民のキャラクターが矢鱈と濃い性格に設定されているのですが、キャラの特徴があまり物語に活かされている訳でも無くて、単に『濃すぎてうるさい性格のキャラたちが殺しあっているだけ』のお話になっている印象。


 全体的にお話のテンポが良いのは悪くないのですが、無駄にキャラが濃すぎるせいであまり感情移入も出来ないですし、疑心暗鬼で殺しあうにしてもやや無理矢理な展開(『そんな簡単に他の住人を殺そうとする?』みたいな流れ)が多くて、いま一つお話に入り込めずに盛り上がりません。


 ラストの真相もそこまで意表を突くような内容でも無いですし、どうにも中途半端な作品という印象。


 せめて人狼ゲーム』的な要素がもうちょっとキチンと組み込まれていれば、ゲームが好きな人であればもうちょっと楽しめたんじゃないかと思うんですけどね…

 


 総評としましては、『可も不可も無い感じの閉鎖環境型サスペンススリラー映画』という感じの作品ですね。


 人狼ゲーム』の映画化という題材に期待している場合は、正直言って肩透かしを喰らわされる可能性が高いですので、そういう目的で観るにはちょっと厳しい内容かなぁ?


 あまりオススメする要素も無いですが、サスペンススリラーとして観るならばそこまでツマらない映画という訳でもないので、気になるようであればまあ『お好みで』という感じでしょうか…