■■■「サメストーカー」■■■
(50点/サスペンス)
学生のアリソンは、恋人のカーソンの母親が主催するビーチのパーティに弟と共に参加する事となる。
しかし、パーティの最中にボート遊びをしていた弟が海に落下しサメに襲われそうになっている現場を目撃。
弟はすんでのところえお、レジャーボートの船員であるダニエルと名乗る青年によって救出される。
ダニエルにお礼をするために自宅での夕食に招待し、徐々に親密になっていく彼らだったが、ダニエルは実は過去に恐るべき秘密を抱えた異常に独占欲の強いストーカー気質の持ち主で、徐々にその本性をむき出しにしていくのだった…
サメから家族を救助してくれた恩人が、実はサメを飼いならす恐るべき変態ストーカーだった…という、サスペンススリラー映画。
『サメから救出してくれた男性が実はサメ使いの変態ストーカーでした』という、なんとも言えないような独特な設定の作品ですが、突飛そうな設定の割には『サメ使い』という要素を除けば『割と普通のストーカーものスペンススリラー映画』って感じのお話です。
(まあ『サメ使い』って設定だけで十分に個性的ではあるんですが…)
お話としては『家族を危機から救ってくれた好青年にお礼をしようとするんだけど、実は青年はとんでもない粘着質の変態ストーカーで、付き合いを深めていくうちに徐々にその本性を発揮していくようになり…』みたいな感じの展開。
『青年が徐々にその本性を明らかにしていくに従い、過去にとんでもない秘密を抱えていた事が判明していく…』みたいな感じの流れなのですが、青年の『変態っぷりの描写』や『徐々に秘密が明らかになっていく構成』は悪くないものの、お話自体はそこまで捻りが無いやや月並みなストーリーという印象。
本作のウリである『サメ』要素も、アクマで『ストーカー男が使う道具の一つ』程度の扱いで、特にサメの怖さみたいなものが伝わるような内容になっていないのは残念なところです。
でもまあ本作ならではという個性に弱い部分はあるものの、サスペンス映画としては全体的に及第点を満たした作りなのは悪くありません。
お話のテンポが良くてサクサクと物語が進んでいくのは良いですし、主人公の粘着気質とか変態テイストもそれなりにキチンと描かれてはいますし、ストーカー男が家族へと取り入っていくプロセスも不自然さが無く、ストーカー男以外のキャラクターもシッカリと描かれているのて、総じて違和感なく楽しめる作りなのは良いですね。
ただ、『サメ要素』がいま一つ個性として活かしきれておらず、ぶっちゃけ『サメ』の要素が無ければ『あまり印象に残らない地味なサスペンス映画』となってしまいそうな内容だったので、もうちょっと『サメ』をシッカリと活かしたようなギミックやら面白さが出せていればなぁ…と思わされるような映画でしたよ。
総評としましては、可も不可も無い『平均点的なレベルのストーカーものサスペンススリラー映画』って感じの作品です。
悪くは無い出来のサスペンス映画ではあるのですが、『奇抜な感じの設定に惹かれて観るとちょっと肩透かしを食らわされるかも?』というのが正直なところ。
なんか既に続編や前日談も販売が予定されているようなので、次回作ではこの辺が改善されている事に期待して、チェックしてみようかと思いますよ。