NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サメストーカー ビギニング」(60点/サスペンス)

■■■「サメストーカー ビギニング」■■■
(60点/サスペンス)


 誕生日パーティに、恋人のニックとクルージングしていた女子高生のローラは、沖で泳いでいたところをサメの襲撃を受け恋人を殺され、本人も危機一髪のところをブルースという青年によって救助される。


 彼女を救ったブルースは地元議員の息子で、町の英雄として一躍有名人となってしまう。


 サメの襲撃によって恋人を殺された彼女はショックを受けたものの、命の恩人であるブルースから強いのアプローチを受けて、ためらいながらも徐々に心を開いていくが、ブルースの時折見せる不審な態度に違和感を抱くようになっていき…

 


 「サメストーカー」が『いかにして「サメストーカー」になったのか』という原因となった過去の事件を描いた、サスペンススリラー映画。


 サメを操るストーカー男である「サメストーカー」の誕生秘話を描いた、いわゆる「サメストーカー」の続編で前日譚にあたるお話ですね。(※…と思っていたのですが、どうやら日本での発売順が前後しただけで、こちらが普通に一作目に当たる作品のようです。ストーリー的にも座りが良いので、てっきり2作目なんだと思ってました…)


 ぶっちゃけ、前作を観た時には『なんでこのシリーズが3作も作られるような人気作になったんだろう?』という疑問があったのですが、2作目を観てその理由に納得。
 これは前作に比べても、なかなか良く出来たサスペンススリラー映画に仕上がっている印象。


 前作の作中で少しだけ触れられていた『ストーカー男の過去の事件』やら経歴やらが語られる事によって、前作では割と唐突感のあった『サメを使うストーカー男』の設定が無理なく受け入れられるような作りになっていますし、前作ではフワっとした説明だった『ヒロインに固執するようになった理由』も明確に描かれています。


 ストーカー男の異常性やら執着ぶりも前作以上に良く分かる作りになっていて、キャラの掘り下げがシッカリと行われているため、前作に比べて魅力的なキャラへと昇華されているのは良い感じ。


 またストーカー男だけでなく、ヒロインとその周辺のキャラや人間関係なんかもシッカリと描き込まれていて、物語に深みと説得性のある感じの展開になっているのも好感触。


 サスペンスとしての緊張感の持たせ方なんかも良くなっていますし、単純にお話としてのクオリティがアップしたうえに、前作を補完するストーリーとして非常に上手くまとまっています。


 ただ、いかんせん『サメストーカーがサメストーカーになる前の話』なので、当然ながらサメの活躍シーンはほぼ皆無な状態なのは残念なところ。


 あと、お話そのものは面白いのですが全体的に山場となるシーンも少な目で、ちょっとテンポの悪さを感じてしまいましたよ。


 ラストの展開も『「サメストーカー」本編に続く』というオチにはなっているものの、妙に投げっぱなしで前作を観てないとちょっと分かりにくい感じの終わり方だったので、もうちょっと本作のみでも分かりやすいような補完要素があっても良かったんじゃないかなぁ?(前作を先に観ていれば何の問題も無いのですが…)

 


 総評としましては、低予算ながらも『意外と良く出来たサスペンススリラー映画』という感じの作品ですね。


 前作と併せて観る事で魅力の高まる作品だと思いますので、「サメストーカー」を観てやや物足りなさを感じていた人は、本作も見てみると丁度良い感じかもしれません。


 逆に前作を観てないとちょっと中途半端さを感じる内容かもしれませんので、観るのであれば時系列よりはキチンと製作された順番で観るのがオススメだと思いますよ。