■■■「シャークストーム」■■■
(55点/生物パニック)
サムソン一家は、夏休みのバカンスを西海岸のビーチハウスで過ごす事となる。
しかしそんな矢先に海岸を巨大な嵐が直撃、大潮の影響もあり一帯はは洪水により水没してしまったうえ、嵐の影響で携帯も繋がらずに彼らはビーチハウスから逃げ遅れてしまう。
更には水没した彼らのビーチハウスの中に人食いザメが侵入。
水位の上昇が迫る中、一家は絶体絶命の危機に晒される事となるのだった…
洪水の影響で水没したビーチハウスに人食いザメが侵入してきて、バカンスに訪れた一家が絶体絶命の危機に晒される…という、災害&生物パニック映画。
タイトルからすると、なんとなく「シャークネード」っぽいトンデモ映画的な雰囲気がありますが、最近、何故かニワカにこの業界で流行っている『洪水や津波で水没した建物の中に人食いザメ(もしくはワニ)が侵入してくる』という、災害映画と生物パニック映画を足して二で割ったようなタイプのパニック映画の最新作ですね。
二番煎じ系のパニック映画やホラー映画でお馴染みのASYLUMによる新作なので、流行に乗ってみた感じで作られた作品だとは思いますが、ASYLUMの便乗系作品のなかでは割と出来は悪くない新作という印象。
お話としては、『とある一家が海辺のビーチハウスにバカンスに訪れるんだけど、海岸を大嵐が直撃し洪水で水没したところに人食いザメまで出現し、水没した家の中でサメの襲撃の脅威に晒される』みたいな感じの展開。
設定からして、いわゆる「クロール -凶暴領域-」の二番煎じ的な内容なものの、シチュエーション以外はそこまでパクリ映画的な内容では無い印象。
『洪水で家の中にサメが侵入してくる』というシチュエーションは良いとしても、そもそも『地下室に人食いザメが侵入してきてウロウロしてるんだから、そんな家からはサッサと避難しろよ』という感じではあるのですが…
水没する前に仲間が既にサメに噛まれてて怪我人が居たり、病人が居て避難に手間取ったりと、『ピンチに陥る状況』がそこそこ納得の行くような作りになっているのは悪くない印象。
パニックシーンも地味ながらもそれなりに見せ場はありますし、割とテンポ良くサクサクとお話が進むので退屈しない作りにはなっています。
登場人物のキャラの掘り下げも悪くはなく、登場人物に医療従事者が居たりして割と的確な行動を取るシーンが多くて、無駄にストレスの溜まらない作りになっているのも良いですね。
ただ、『家の中に入って来れるような小さいサイズのサメ』の割にはサメが異常に狂暴すぎだろ…とか『どんだけ粘着して主人公の家族を襲うんだよ』とか、まあ色々とツッコミどころはある感じですし、低予算ゆえに迫力のあるシーンが少ないのと、ラストも妙にアッサリしてて全体的に物足りなさがあるのは残念なところかなぁ…
総評としましては、『それなりに観れるレベルの災害&生物パニック映画』って感じの作品ですね。
「クロール -凶暴領域-」とか、そういうシチュエーション系のパニック映画が好きであれば、まあまあ楽しめる内容だとは思います。
ただ悪くは無いものの強く推すような要素も無いので、特に急がないようであればどこかのサブスクリプションサービスに入るのを待つ程度でも、あまり問題の無い一本かもしれませんよ。