NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「メガ・パイソン 人間捕獲」(55点/モンスター)

■■■「メガ・パイソン 人間捕獲」■■■
(55点/モンスター)


 2019年のナイジェリア沖。
 中国人観光客らを乗せた遊覧船が巨大な何者かに衝突して転覆。


 海に投げ出された乗客たちはなんとか無人島へと流れつくが、そこで恐ろしく巨大な大蛇の襲撃を受け、生存者の大半が大蛇に飲み込まれてしまう。


 目の前で娘を大蛇に襲われたウェイは、娘に渡していたトランシーバーから娘や大蛇にさらわれた人々が、生まれてくる大蛇の子供のエサにするため巣へ連れ帰られて、まだ生きている事を知る。


 ウェイはわずかに生き残った生存者たちと共に、大蛇にさらわれた人々の救出へと向かうが、その島は大蛇に加えて人食い巨大ガエルや人食い植物の跋扈する恐るべき場所だった…

 


 超巨大な大蛇に船を破壊されて無人島に流れ着いた人々が、なんとかして大蛇の襲撃を逃れて生き延びようとする…という、モンスターパニック映画。


 最近、やたらと大量に作られている中国製のモンスターパニック映画の中でも、更に何故かやたらと沢山作られている『大蛇もの』の新作映画ですね。


 以前にウチのサイトでもレビューを書いた「ジュラシック・アース 新たなる覇者」という作品と、大蛇とか人食い巨大ガエルのCGが使いまわしされていたりするので、『同じ制作会社によって作られた作品なのかな?』と思って調べてみたところ、どうやら製作会社どころか同じ監督によって撮られた作品のようです。


■映画感想:「ジュラシック・アース 新たなる覇者」60点/モンスター:結構オススメ)
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/2022/09/04/023437


 というか、本作は原題が「大蛇2/Snake2」で、「ジュラシック・アース 新たなる覇者」の原題が「大蛇3 龍蛇之戦/Snake3」となっているので、むしろ本作が「ジュラシック・アース」の使いまわしの元になった作品という感じですね。


 ぶっちゃけ「ジュラシック・アース」の方が、後発だけあってか出来も良くて話も面白かったので、日本発売の順番が逆転してしまったのも納得。


 ちなみに、お話の中身としては『超巨大な大蛇の棲息する無人島に辿り着いた人々が、さまざまな脅威にさらされながらもなんとかして島から脱出しようとする』というほぼそれだけのお話で、やってる事は「ジュラシック・アース」とあんまり変わらない印象。


 本作でも怪物の襲撃シーンは割と多めで、怪物たちも『超巨大な大蛇』に加えて、『人食い巨大ガエル』や『人食い植物』や『空飛ぶピラニア』等、様々なバリエーションの怪物を暴れさせて楽しませてくれます。


 特に『人食い巨大ガエル』は「ジュラシック・アース」ではオマケみたいな扱いだったのに対して、こちらではシッカリと見せ場があって視聴者の恐怖をあおる存在として描かれているのは良い感じ。(『人食い巨大ガエル』ファンなら必見?)


 大蛇を始めとした他の人食い生物も、何故か異常なぐらいに執念深く人間を襲って来るので、襲撃シーンは全体的に見ごたえのある内容となっています。
 (ただ『空飛ぶピラニア』が羽根も無いのに空を飛んで襲って来るのとかは、原理不明すぎてツッコミどころ満載ですが…)


 ただ『怪物の襲撃シーン』は割と良い感じなのですが、その他のストーリーに関する部分に関してが若干グテグテ気味なのは残念なところ。


 『主人公と娘の親子ドラマ』が中心の割には、キャラの掘り下げが浅くていま一つ盛り上がらないですし、主人公の協力する元軍人みたいな人もたいしたバックボーンや強い動機も語られない割には異様に強くて謎の存在すぎ…


 ヒロインも何か取って付けたような扱いですし、金貸しのオヤジのエピソードとかどうでも良すぎて何のために尺を割いたのか良く分からないレベル。


 大蛇の正体(軍の生物兵器)に関しても『それが分かったから何なんだよ』みたいな感じですし、メインのストーリーのグテグテ度が高いせいで、見せ場がそこそこ多い割にはお話全体がどうにもダラダラした印象になってしまっているのが惜しいです。


 ラストの展開とかは無駄に熱くて良い感じだったので、もうちょっとモンスターのキャラクターやら、主役となる面々の掘り下げがシッカリとされてればなぁ…という感じの作品でしたよ。
 (もしかしたら、その反省を活かして作られたのが「ジュラシック・アース 新たなる覇者」なのかもしれませんが…)

 


 総評としましては、作りは粗削りなものの『そこそこ楽しめるレベルのモンスターパニック映画』という感じの作品ですね。


 色々とダルい部分やら物足りない部分もありますが、モンスターの襲撃シーンとかはそこそこ見ごたえがあるので、まあまあ普通に観れるレベルの内容だと思います。


 こういったハチャメチャ系のモンスターパニック映画が好きな人であれば、とりあえずはチェックしておいても良いレベルの一本かもしれませんよ。