NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジュラシック・ドミニオン」(30点/モンスター)

■■■「ジュラシック・ドミニオン」■■■
(30点/モンスター)


 軍の極秘施設から、遺伝子操作によって作られた2頭の若いアロサウルスを移送中に、アロサウルスが隊員を殺して逃走するという事件が発生。


 上官の指示により、軍事機密を隠蔽するために最小限の人数での事態の収拾を命じられた特殊部隊のタナー少佐は、3人の部下と共にアロサウルスの捕獲任務を開始する。


 しかし、遺伝子操作によって知能を強化されたアロサウルスたちは手強く、自分たちの母親を逃がすために軍の基地へと侵入し破壊活動を開始。


 新たに誕生した幼体ともども、母親のアロサウルスも逃げ出してしまい…

 


 遺伝子操作によって作られた2匹のアロサウルスと軍の特殊部隊が戦うという、アクション風味のモンスターパニック映画。


 原題が「JURASSIC DOMINATION」となっており、明らかにジュラシックワールド/新たなる支配者(ドミニオン)」を意識したパクりタイトルな上に発売時期まで狙って合わせてきている辺りから、『パクリ映画でお馴染みのASYLUMによる新作かな?』と思いつつ鑑賞してみたいのですが、予想通りにASYLUMによる新作映画でした。


 更に加えて言うと、今年の1月に発売された「ジュラシックS.W.A.T. 対恐竜特殊部隊」という作品の続編にあたる内容のようです。


■「ジュラシックS.W.A.T. 対恐竜特殊部隊」
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/2022/01/10/005632


 「ジュラシックS.W.A.T.」が既に2作目だったので、シリーズ3作目という形になるようですが、そこまで人気のシリーズとも思えないのですがASYLUMはこのシリーズに何か特別な思い入れでもあるのでしょうか?


 ただ、わざわざシリーズ3作目を作っている割には本作はかなり残念な作品で、典型的な『ダメな方のASYLUM作品』といった感じの内容。


 とにかく『予算が無かったんだな』というのが随所から感じられるような完成度で、正直言って90分間鑑賞するのが辛いレベルの作品です。


 殆どのシーンが『オッサンが銃を構えて歩いているだけ』の映像を延々と見せられるだけで、恐竜の登場シーンそのものがほとんど無いという、観ていてとにかく退屈な内容。


 本編中で『恐竜が軍の基地を全滅させた』みたいな大層な設定の割には、恐竜の襲撃シーンどころか襲われた人間の死体すら出て来ませんし、登場する恐竜も『ひたすら同じアングルのCG』の使いまわしというテイタラク


 恐竜の襲撃シーンも『いつの間にか仲間が殺されてて、後から死体が発見される』みたいなパターンの連続ですし、どんだけ特撮にお金をかける余裕が無かったのかと…


 ストーリーに関してもかなりグテグテで、アロサウルスが逃げ出したら人類滅亡の危機』とか言ってる割には、作戦に上官を含めて5人ぐらいしか参加していませんし、途中で合流する科学者は生物学者のクセに武器を改造して強化してみたりと謎の超有能っぷりを発揮して、設定にもツッコミどころが満載。


 終盤ぐらいは盛り上がるのかと思いきや、ラストまでほとんどの見せ場も緊張感も無いままに、手りゅう弾で巨大なアロサウルスをアッサリと倒して終了(B級映画にありがちな物凄い破壊力の手りゅう弾)ですし、とにかく観ていて退屈な内容でしたよ。


 前作の「ジュラシックS.W.A.T.」は低予算ながらもそこそこ観れる内容だったのに、どうしてこんな事になってしまったのか…
 (前作が不評で予算が貰えなかったのかしらん?)

 


 総評としましては、『微妙としか言いようが無いレベルの恐竜ものモンスターパニック映画』という感じですね。


 とにかく『恐竜の見せ場が無い恐竜映画』のため、よほど恐竜映画が大好きでも敢えて本作を観るような必要は無いと思いますので、普通にスルーしてしまって問題のない一本ではないかと…


 原題はモロにパクリですが邦題がかなり違うため、ジュラシックワールド/新たなる支配者」と勘違いして本作を観る人が居なさそうなのは、まあまあの僥倖と言える事かもしれませんね。(笑)