NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ブラック・フォン」(65点/サスペンス:結構オススメ)

■■■「ブラック・フォン」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)


 1978年、アメリカのコロラド州
 デンバー郊外の田舎町で子供たちの失踪事件が相次いで発生。


 黒い風船を持つと言われる謎の誘拐犯は『グラバー』と呼ばれ、子供たちの間で恐れられていた。


 ジュニアスクールに通う少年のフィニーは、ある日、学校から帰る途中にマジシャンだと名乗る男に声をかけられ、そのまま気絶させられて車の中に拉致されてしまう。


 地下室のような場所で目を覚ましたフィニーは、自分が『グラバー』によって誘拐された事を知るが、そんな矢先に断線している筈の黒電話が鳴り響き、電話からは『殺されたはずの少年たち』からのメッセージが…


 いっぽうその頃、霊感を持つフィニーの妹のグウェンは、予知夢を観る事で兄の失踪の手がかりを探そうとしていたが…

 


 謎の連続誘拐殺人犯によって誘拐された霊感のある少年が、殺された人たちの霊の力を借りてなんとかして監禁場所から逃げ出そうとする…という、オカルト風味のサスペンススリラー映画。


 ホラーファンの間ではお馴染みのブラムハウスによる新作スリラー映画ですが、ちょっとオカルト風味だったりと個性的な内容になっています。


 お話としては、『誘拐犯によって地下室に監禁された少年が、地下室からの脱出を目指す』みたいな感じで、系列としてはシチュエーションスリラーみたいな雰囲気


 ただ、主人公の少年がちょっとした霊感みたいなのを持ってて、『殺された少年』たちの声を聴くことで、『脱出のための糸口をつかんでいく』みたいな展開は、いわゆる『脱出ゲーム』的で面白いですね。


 トライ&エラーで『あと少しで脱出の糸口が見えるのに…』みたいな展開が続くためヤキモキさせられるものの、単調になりがちなシチュエーションスリラーを退屈せずに楽しませるための仕掛けとして機能しているのは良く出来ています。


 終盤の流れも滅茶苦茶カタルシスがあって良い感じですし、全体的に非常に良く考えられた作りの作品という印象。


 また主人公を含めて、誘拐犯や殺された少年たちチョイ役の主人公の父親なんかも良くキャラが立っており、キャラクターが全体的に魅力的に描かれているのも良い感じ。


 ただ、主人公の妹も『霊感を持っていて予知夢で兄を探す』みたいな設定なのですが、割と重要そうなキャラの割にはあんまり見せ場が無かった(むしろ家族ドラマ掘り下げ要員みたいな扱い)ので、そっちはもうちょっと出番が欲しかったかなぁ…


 あと、全体的に割と淡々としたシーンが多いので、主人公がもうちょっとピンチに陥るような要素があった方が、全体的にも盛り上がりがあって良かったかも?

 


 総評としましては、なかなか良く出来た『オカルト風味の監禁系シチュエーションスリラー映画』って感じですね。


 プロットやストーリーに意外性があって面白く、捻りが効いて個性の良く立ったサスペンスになっている印象。


 普通に面白い作品ですので、設定等が気になるようであればチェックしておいても損の無い一本だと思いますよ。