NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ノットジラ」(60点/モンスター:結構オススメ)

■■■「ノットジラ」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)


 1962年、日本に出現した怪獣ママジラは、危険な生物ではないという古生物学者のホンダ・イチヒロの説得もむなしく軍隊の攻撃によって撃破される。


 怪獣の卵を極秘裏に回収したホンダは、怪獣を保護するために卵をアメリカへと運ぼうとするが、誤って飛行機から落としてしまったところを、核物理学者のブロウハート博士と助手のシャーリーによって保護される。


 ホンダは卵から産まれてきた怪獣『ノットジラ』は、アルコールを与えない限りは小型の大人しい生物であると彼らに説明するが、博士が誤って怪獣にビールを飲ませてしまった事から怪獣は巨大化。


 更なる酒を求めて町へと逃げ出してしまい…

 


 アルコールを飲むことによって巨大化する怪獣『ノットジラ』と、怪獣を退治して名声を上げようとする人々と保護しようとする人々との戦いを描いた、モンスターパニック映画。


 割ととどうしようもないレベルのZ級映画を大量に買い付けて来る事で一部マニアの間で有名な『コンマビジョン』による配給作品という事で、正直なところ全く期待していなかったのですが、なかなかどうして意外と良く出来た作品です。


 タイトルから分かる通りに、いわゆるゴジラ」を題材としたパロディ作品で、実際の中身の方もコメディ要素が強め…というか、むしろそのまんま『怪獣を題材にしたコメディ映画』という雰囲気の内容。


 超低予算のZ級映画で、特撮も滅茶苦茶ショボくてストーリーもグテグテなのですが、ショボい部分を『メタ的なギャグ』として昇華しており、それが自虐ネタとしてあまりうるさくないレベルにまとまっている辺り、製作スタッフのバランス感覚の良さを感じさせます。


 また、コメディ映画らしく要所要所に唐突に『一発ギャグ』みたいなネタが大量に挿入される構成なのですが、このギャグもツマんないと思いながらも『クスッ』と笑えてしまうようなネタが多くて、バタ臭い海外ノリの作品ながら意外と楽しめてしまいます。(唐突な『ピカチュウ』ネタとか不覚にも笑ってしまった。)


 ちなみにアメリカ映画らしく下ネタやブラックなネタも多いのですが、下品すぎて引くほどのノリになっていないのも良い感じです。

 ただ、ギャグとして異常なぐらいに『ダジャレ』ネタが多くて、それをいちいち日本語に翻訳する翻訳の方の苦労が偲ばれるような内容だったのは、別の意味で笑ってしまいました。


 メインである怪獣『ノットジラ』の着ぐるみも、安っぽい作りながらも意外と愛嬌のある可愛いデザインですし、普通に70年代の特撮ドラマぐらいのレベルで完成されていて、怪獣としてもキャラが良く立っているのも悪くないですね。


 ストーリーはグテグテながらも意外にキチンと起承転結がありますし、こんなグテグテな内容の映画なのに、舞台の時代背景やら美術デザイン、登場する小物や兵器なんかがキチンと当時の時代に合わせてデザインされている辺りは、スタッフの変な真面目さを感じさせられましたよ。(笑)
 (まあ、1965年はキューバ危機も解決してるしビデオデッキなんて市販されてないだろ…とか色々とツッコミどころはありますが。(笑))


 ちなみに作中でもネタにされていましたが、普通に『続編が観てみたい』と思うような作品でしたので、是非とも調子に乗って続編を製作していただきたいところですよ。

 


 総評としましては、超低予算ながらも『意外と良く出来た怪獣コメディ映画』という感じの作品ですね。


 ショボい内容ながらも、不快さも少なくて笑える部分も多いですので、この手の怪獣映画のパロディとかコメディとかが好きな人であれば、普通に楽しめる一本だと思います。


 超低予算でショボいですが、超低予算故にツッコミどころも多くてネタ映画としては優れた内容だと思いますので、そういう方向で観る作品を探している場合は、割とオススメできる映画だと思いますよ。