■■■「ソードリベンジャーズ 復讐剣 」■■■
(40点/アクション)
中世の平和な小村であるグリットルトンマーシュ村を、ある日、突然に『人狼』の群れが襲撃。
村人の大半の者が殺され、村の若者であるトルウィンも恋人のインガと弟のオスカーを殺害されてしまう。
村の領主のマグナス男爵は、王へとこの危機を伝えるために三人の騎士たちを招集。
トルウィンは騎士たちを案内するために、騎士と他の村人たち2人と共に王城へと向かう事となるが、城へ向かうためには人狼たちの潜むと言われる森を抜けていく必要があった…
人狼の群れに仲間を虐殺された村の青年が、騎士たちと力を合わせて人狼に立ち向かう…という、ファンタジーアクション映画。
いちおう、中世っぽい世界で人狼と騎士の戦いを題材としたファンタジーアクション映画なのですが、なんというか低予算で物凄い安っぽいB級…というかD級ぐらいのファンタジー映画という感じの作品です。
お話としては、『村を人狼の群れに襲われた地方領主が、国の危機を知らせるために騎士と道案内のための村人を城へ向けて派遣するが、その道中の森は人狼たちの潜む危険な場所だった…』みたいな感じの展開。
一応『戦士と村人のパーティによる危険な冒険の旅』を描いた、「ロード・オブ・ザ・リング」的なオーソドックス設定のファンタジー作品ではあるのですが、まあ何というか恐ろしく安っぽくてスケールの小さい作品というのが正直な感想ですね。
そもそも『冒険の旅』といいつつも、作中の旅の期間が3日ぐらいしか無いので、あんまり冒険してる感はありません。(笑)
ただ、お話のスケールは小さいながらも、主人公たちが休憩とかをしてると人狼の襲撃を受けたり、行く手に人狼が罠を仕掛けて待ち伏せしていたりと、次々と見せ場を描くことで退屈しないように考えて作られてるっぽいのは悪くない印象。
とはいえ見せ場を準備するのは良いのですが、その見せ場がことごとく『物凄くショボい』のが困りものです。
人狼はいわゆる『狼の着ぐるみ』なのですが、この着ぐるみが妙にチャチな感じの物凄く『着ぐるみ然とした着ぐるみ』で、どうにも見た目が安っぽい。
そのせいで、襲撃シーンが『モフモフの狼さんが駄々っ子パンチを連打そながら暴れてる』みたいにしか見えずに、迫力があるというよりもむしろ微笑ましい気分になってしまいます。
ストーリー的には『旅の途中で仲間が次々と倒れていく』という逆境百連発みたいな展開なのですが、お話のシリアスさとアクションシーンのショボさのアンバランスさに、思わず変な笑いが出てしまいそうになるレベル。
また逆境を次々と描くのは良いのですがその割にはキャラの掘り下げはイマイチで、本作ではもう一人の主人公的な『ならずもの騎士』みたいなのが登場して、最終的に彼の意志を継ぐ形で主人公が戦う事になるのですが、この騎士と主人公の関係性とか『人狼に立ち向かうための主人公の心境変化』みたいなのも、いまいち良く分かりません。
終盤で、ちょっとしたドンデン返し的な展開があるものの唐突過ぎて『なんじゃそりゃ?』って感じですし、ラストもなんだかスッキリしない終わり方ですし、全体的に『もうちょっとどうにかならなかったもんかなぁ』と思う部分の多い作品でしたよ。
総評としましては、どうにも『いま一つな出来な低予算ファンタジーアクション映画』って感じです。
ファンタジーとしてもアクションとしても、映像が安っぽすぎて雰囲気が出ておらず盛り上がる要素が薄いですし、そういった方面に期待してると肩透かしを喰らうかも?
ツッコミどころは多いので『ネタ映画』としてはそこそこ楽しめるかもしれませんが、どちらにしてもパンチの弱い作品なので、よほど気になるとかでも無ければ普通にスルーしておいても問題の無い一本ではないかと…