NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジョーズ・ザ・モンスター」(30点/モンスター)

■■■「ジョーズ・ザ・モンスター」■■■
(30点/モンスター)


 海洋生物学者のミン・シューヤン博士は、落水した人を助けようとした際にサメに足を食いちぎられた過去を持ち、それがトラウマとなっていた。


 そんな中、上司のジョーンズ博士と共に、チン社長によって作られた遺伝子操作研究所を訪れる事となるが、そこは海底基地と水族館を兼ねて観光客を呼ぶために作られた巨大な施設だった。


 その研究所では、様々な遺伝子の変異を施された魚たちの展示と共に、絶滅に瀕したホホジロザメを救うための研究が行われていたが、チン社長の陰謀によりミン博士が足の治療のために使っていた遺伝子操作薬を勝手にサメへと投与。


 この薬によって、サメは高い知能と恐るべき回復力を備えた『ブラッドシャーク』へと突然変異を起こし、その圧倒的なパワーで施設を破壊し人々を恐怖のどん底へと陥れるのだった…

 


 遺伝子操作によって超パワーを手に入れたホホジロザメによって、海底基地に閉じ込められた人々が危機に陥る…という、生物パニック系モンスターホラー映画。


 最近流行りの中国製のモンスター映画の一本で、何か「メグ・ザ・モンスター」っぽいタイトルが付いていますが、別にメガロドンが登場する訳でも無く、どっちかっていうと「ディープブルー」辺りに影響を受けたっぽい印象を受けるサメ映画ですね。(一応、海底基地が舞台な辺りは「メグ」っぽい?)


 中国製のモンスター映画はこのところ量産されているものの、割と当たり外れが大きい印象で、本作はぶっちゃけて言うと『ハズレ』に該当する方の作品です。


 ハズレの要因は色々とあると思うのですが、本作の場合は『全体的にハズレ』というのが一番しっくりくる評価という印象。


 何がダメって、まずお話が全体的にダラダラしておりどうにもテンポが悪いんですよね。


 たいしてキャラクターが魅力的じゃ無いうえに、キャラの掘り下げもそこまで行われない割には、主人公の周辺に主人公の過去の恋人、主人公と敵対関係にある社長、社長の恋人、社長の弟とか主要キャラが大量に登場して、登場する人間の人間関係が無駄に複雑。


 人間関係の説明に妙に尺が割かれている割には、各キャラの掘り下げは対して行われないためにキャラが薄っぺらくて、どうでもいい事を矢鱈と時間をかけて説明されている印象しか受けません。


 お話の展開も妙に遅くて、観ていてどうにもダレるシーンが多いです。


 まず、メインとなる怪物の『ブラッドシャーク』も、単に『赤いサメ』というだけでそこまで魅力を感じられないのは残念なところ。


 サメ自体の出番は意外と多いのですが、いかんせん特撮のレベルが酷くて、あまりにも合成まるだしの映像20年ぐらい前の子供向けの特撮番組とかのような雰囲気。


 サメの口に雑な合成で咥えられて『ジタバタともがく犠牲者』の姿は、もはや微笑ましくてちょっと笑いがこみ上げてくるレベルです。


 サメとのラストバトルも妙にアッサリしてて物足りなかったですし、せめてどこか一か所でも見せ場となるような要素でもあればなぁ…という感じでしたよ。

 


 総評としましては、どうにも『物足りなさばかりが目に付く微妙な出来のモンスターパニック映画』という感じの作品ですね。


 正直なところオススメするような要素もないのですが、色々とツッコミどころも満載ですので、ツッコミ目的で観るならばアリかなぁ…いや、やっぱ無しかも?


 普通に『見どころのない映画』なので、よほど『サメ映画は全部チェックする』みたいな硬い意志やポリシーでも持っているのでなければ、普通にスルーしてしまっても問題のない一本ではないかと…