NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「カラダ探し」(65点/オカルト:オススメ)

■■■「カラダ探し」■■■
(65点/オカルト:オススメ)


 女子高生の森崎明日香は、7月5日に不気味な現象と共に学校内で居るはずの無い小学生ぐらいの少女の姿を目撃。
 少女から『私の身体を探して』という奇妙なメッセージを伝えられる。


 異常な現象に恐怖を感じる彼女だったが、その日の深夜0時を迎えた瞬間に、幼なじみの高広を含むあまり接点のない5人のクラスメイトと共に学校の閉鎖中の礼拝堂に居る事に気づく。


 突然の事態に混乱しつつも学校から出ようとする彼らだったが、そんな彼らの前に血まみれの少女『赤い人』が出現。
 『赤い人』は彼ら6人を次々と惨殺してしまう。


 しかし、殺されたと思った明日香が目を覚ますと、7月5日の朝に時間が戻っているという異常な現象が発生。


 同じ現象に巻き込まれたオカルトマニアのクラスメートから、自分たちが『カラダ探し』という奇妙な儀式のようなものに巻き込まれており、『殺されてバラバラにされた少女の身体のパーツを全て集めないと、この時間のループからは抜け出せない』という驚くべき話を聞かされるが…

 


 『バラバラにされた死体を探して集める』という『カラダ探し』と呼ばれる奇妙な怪異に巻き込まれ、同じ一日を延々と繰り返して殺され続ける事となった若者たちが、なんとかして謎を解いて時間のループを抜け出そうとする…というオカルトサスペンス映画。


 カラダ探し』という、都市伝説的な謎の儀式を題材にした映画なのですが、どうやら原作はマンガらしくて実際の内容の方もマンガ的なテイストが強めの作品ですね。


 劇場で公開された時から割と評価が高かったので気になっていたのですが、マンガ的テイストの「スタンド・バイ・ミー」とか「イット」みたいなノリの作品という感じで、『Jホラーって、こういう方向性も行けるんだ!』と素直に感心させられるような内容でしたよ。
 (実際の中身の方も『死体探し』が主人公たちの目的だったり、『架空の都市伝説』が題材となっていたりするあたり、「スタンド・バイ・ミー」や「イット」をリスペクトしてるっぽい雰囲気を感じます。)


 お話としては、『クラスカースト底辺の陰キャ主人公が「カラダ探し」という都市伝説的な怪異に巻き込まれて、同じ日を繰り返しながら延々と殺される事になるんだけど、この現象から逃れるためには、深夜の学校で「バラバラにされた少女の死体」を集めなければならない事が判明し…』みたいな感じの展開。


 『都市伝説』と『タイムループもの』というそれぞれのアイデアは月並みなんだけど、それらを組み合わせる事で組み合わせる事で『そりゃ面白くなるよね』という感じのプロットに仕上げている辺りは、なかなか良く出来ている印象です。


 全体的にお話が非常にテンポ良く進むのに加えてに、イムループものという特徴を活かして主人公たちが何度も何度も襲われまくるので、ホラー的な見せ場が十分にあるのも嬉しいところ。


 特に、本作に登場する怪異である『赤い人』がメチャクチャ『空気の読めるモンスター』で、ホラー映画のお約束的に『絶対にここで襲って来るだろ!』みたいなシーンで、必ず襲撃を行って来るという徹底した空気の読め具合で観ていて非常に痛快です。


 また終盤になるとこのモンスターが予想以上のパワーアップを見せて、派手なアクションを繰り広げるようになってくれるのも良い感じ。


 モンスターも個性が出ていて良いのですが、主人公たちも原作がマンガ作品らしくキャラが良く立っておりスクールカースト底辺の主人公たちが徐々に団結力を発揮して自信を取り戻していく』みたいな展開は、コテコテながらもカタルシスがあって面白いです。


 ただ、映画の尺の都合もあるのでしょうが『お前ら急激に仲良くなりすぎだろ』みたいな部分があったり、前半の『カラダ探し』のシーンがダイジェスト版みたいな感じで割とアッサリした作りだったりするのは、ちょっと残念なところ。


 でも、終盤の『謎解きパート』に突入して以降の怒涛の展開も楽しいですし、伏線が回収されてるんだかされてないんだか分からないような『細かいツッコミどころ』やら粗削りな部分も少なくないものの、それを気にさせないようなパワーを持った作品という感じで、ラストの展開も無駄に熱くて良い感じだったので、なかなかに満足度の高い映画ではありましたよ。


 あと余談ですが、橋本環奈は確かに可愛いし若そうな外見ではあるのですが『流石に主役級で高校生の役はそろそろ厳しくなってきたかなあ?』と改めて感じた作品でした。(笑)

 


 総評としましては、『なかなかに良く出来た都市伝説テイストのオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。


 マンガ的なノリではありますが、都市伝説ものやらジュブナイルホラーやらが好きであれば割とハマれる内容ではないかと思うので、そういうのが好きであれば普通にチェックしておいて損はない一本ではないかと…


 ただ、グロシーンで直接的な描写はあまり無いものの、割と激しいシーンが多くてモンスターも怖めのデザインですので、青春ジュブナイル系とは言えどもホラーが苦手な人はちょっと注意が必要かもしれません。