NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「モンスターレイダーズ」(45点/モンスター)

■■■「モンスターレイダーズ」■■■
(45点/モンスター)


 軍属企業であるOMHテクノロジーは、砂漠にある地下核実験施設で極秘の実験を行っていたところ、放射能流出の事故が発生。
 その影響で生物の突然変異が発生し、実験施設が緊急ロックダウンされてしまう。


 軍は実験設備の発案者で天才科学者であるハーヴィン博士を中心にレスキューチームを編成。
 生存者の救出とシステムの復旧のために施設に派遣する事となる。


 一方、傭兵のバイジーは、軍の陰謀を暴くために実験施設に潜入していたものの行方不明となった諜報部員である恋人のジェイソンを捜索するため、同僚のビージャオとグイチョーと共にハーヴィン博士の護衛として軍と共に実験場へと潜入。


 しかしそこは、放射線によって狂暴化し巨大化した狂暴なサソリの巣窟と化していたのだった…

 


 科学者の護衛と恋人の救出のために放射線事故が発生した地下核実験施設に侵入した3人の美女の傭兵たちが、巨大化し狂暴化したサソリの群れと戦う…という、モンスターパニック映画。


 最近、流行りの中国製のモンスターパニック映画の一本なのですが、『3人の美女の傭兵がモンスターと戦う』という設定からしての、なんとも『狙った風な設定』いかにもアニメとかゲームとかの影響を受けてそうな印象の作品ですね。


 実際の映画の中身の方も、砂漠で戦闘をする割には『妙に軽装で露出度高めの3人の美女』が主役なのに加えて、デスノート」のLにソックリな天才科学者が登場したり、巨大サソリとの戦闘シーンが「モンスターハンター」をイメージさせるような物だったりと、非常に分かりやすいアニメやゲームへのリスペクトっぷりは悪くありません。


 また、三人の美女がナイフを片手にトゥームレイダー」のララ・クロフトばりの激しいアクションで巨大サソリを相手に大立ち回りを繰り広げるのは、なかなかに見応えがありまし、CGとか特撮もそこそこ気合が入っていてアクション要素に関してはそこそこ良く出来ている印象。


 ただそれ以外の要素に関しては、正直に言って微妙なところなんですよね。


 まずストーリーがちょっとグテグテ気味で、『軍が実は地下施設で極秘の生物兵器開発研究を行っていた』みたいな設定で、研究を隠蔽するために『関係者の全員を抹殺しようとする』みたいな流れなのですが、その手段が『研究所員を見つける度に一人づつ撃ち殺す』という物凄い効率の悪い方法。(研究所員が次々と殺されたら他のメンバーは逃げるだろうから、一か所にまとめて殺した方が確実やろ…)
 更に、途中で『地下の施設で軍人を検体にして人体実験が行われていた事が判明する』みたいな展開があるものの、『何のために人体実験をしていたのか』とかは一切説明がなく意味不明です。(巨大サソリの生物兵器を作るのが目的なのに、人間を培養カプセルみたいなのに入れて何を実験していたのか?)


 また、人体実験の現場を発見した特殊部隊の隊長が改心して主人公たちに協力するみたいな展開なのですが、『何の罪もない研究所の職員を問答無用で撃ち殺していた隊長が、仲間の軍人が実験に利用されているのを目撃した瞬間に改心する』というのは、流石に身勝手すぎて共感が得られんだろうと…(研究所員を嫌々ながら殺していたのならともかく…)


 こういった色々なツッコミどころの他にも、『美女3人の傭兵』の個性がそこまで活かされていないのも気になりますし、全体的にモンスターが妙に出し惜しみされてるのも気になる部分で、メインのモンスターである『巨大サソリ』が中盤ぐらいまでは尻尾とかハサミしか登場しないのも物足りなさを感じるところ。


 ラストの超巨大サソリとの対決も妙にアッサリしてて、本作ならではのモンスターの個性のようなものも弱いですし、全体的にちょっと中途半端さを感じる映画でしたよ。

 


 総評としましては、どうにも物足りなさの残る『いま一歩な印象のモンスターパニック映画』って感じの作品ですね。


 ゲームやアニメ風のアクションシーンとか見どころも無くは無いのですが、見せ場がそこまで多くないため本作を観るための魅力になっているかと言われると悩ましいところ。


 出来が悪いわけではないので、中国製のモンスターパニック映画が大好きで『巨大サソリものも是非ともチェックしておきたい』というのであれば、とりあえず観ておいても良いかも…って程度の一本だと思いますよ。