NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ドアーズ」(35点/サスペンス)

■■■「ドアーズ」■■■
(35点/サスペンス)


 ある日、世界各地に唐突に正体不明の『黒い壁』のようなものが出現。


 『黒い壁』からの謎の『声』によって導かれた多くの人々は、その中へと姿を消して、ある者は命を落とし、ある者は精神に異常を来し、ある者はそのまま行方不明となってしまうという現象が発生する。


 政府はその壁を『ドア』と呼称し、その正体の調査を行うための人員を募集。
 調査に志願して『ドア』へのコンタクトを図る者たちは『ノッカーズ』と呼ばれるようになった。


 『ノッカーズ』の面々はドアの内側へと侵入して、その正体を探ろうとするが、果たして『ドア』とそれを作り出した存在の目的とはいったい何なのか…

 


 世界各地に出現した謎の『ドア』と、その正体を探るために謎に挑む人々とのファーストコンタクトを描いた、SFサスペンス映画。


 お話としてはオムニバス形式で作られており、謎の存在である『ドア』とそれに関わる事となった4組の人々をめぐる運命を描いた『短編SFドラマ集』という感じの作品です。


 一応はファーストコンタクト的な設定ではあるのですが、実際の中身の方はどちらかというと少し前に流行った『ニューウエーブ系のSF』という感じの内容で、『内宇宙』とかを題材とした分かったような分からないようなお話という印象。
 アニメとかが好きな人ならエヴァの『人類補完計画』みたいなノリだと言えば、なんとなく想像が出来るかも?


 そういうノリの映画なので、全体的に『雰囲気映画』的なテイストが強くて、いま一つテンポも悪めの印象。


 なんとなく、ダラダラと『分かったような分からないような話』を見せられ続けるうえに、そこまで厳密な繋がりの無い短編映画をつまみ食いさせられてるような内容なので、とにかく観ていてダレてしまいます。


 一応は4本の作品を通して観れば、なんとなく『ドア』の正体的なものは分かるのですが、その正体に関しても割と月並みな設定で、正直に言ってあまり面白味はありません。


 また登場人物の『内宇宙』的なものを作品のテーマとしている割には、短編のせいでキャラの掘り下げも薄いので、人間ドラマ的な要素としてもどうにも中途半端な印象。


 もともと『4編のオムニバスドラマ』だと把握して観ていれば『そういうもんなのか…』と納得できるような内容だと思うのですが、1本のファーストコンタクトものの長編SFだと思って観ていたせいで、ストーリーが散漫なうえに良く意味が分からなくて『なんじゃコリャ?』となってしまいましたよ…


 最後まで見れば、なんとなく作品の方向性やテーマは見えてくるのですが、本編を観ている間は『テンポが悪くて退屈な映画』という印象の方が上回ってしまい、どうにも中途半端な作りと感じてしまう作品でした。

 


 総評としましては、『いまひとつ面白味に欠ける低予算SFサスペンス映画』って感じの作品ですね。


 テーマに目新しさとかも感じられないですし、コレといった見どころがあるような内容でも無いので、ちょっとオススメはし難い映画という印象かなぁ…


 オムニバス短編集として観れば壊滅的にツマんない訳でも無いので、短編のTVシリーズを観るようなノリで片手間に流し見する程度なら良いかもしれませんが、そうでも無ければ普通にスルーしてしまっても良い一本かもしれませんよ。