NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リザード」(60点/モンスター)

■■■「リザード」■■■
(60点/モンスター)


 バンコクの人気ラッパーであるカオは、かつて親代わりに自分を育てくれた祖父が亡くなった事を知り、従妹のジェーンと共に故郷であるタイ北東部の村へ帰る事となる。


 帰省先で幼なじみで人気Youtuberとなっているフォンと再開した彼は、彼女が井戸掘りの名人だった祖父の弔いと村おこしのために、『新たな地下水脈を掘り当てる』という企画を立案している事を知る。


 フォンが企画に100万バーツの賞金をかけた事から、各地から多くの人々が井戸掘りのために参加。
 カオも井戸掘り職人だった祖父の意志を継いで企画へと参加する事となるが、彼らの行動は地底深くに潜む恐るべき怪物を呼び寄せる事となってしまうのだった…

 


 タイの田舎の村で井戸掘りのコンテンストを開催したところ、地底深くに潜んでいた巨大トカゲのような怪物を呼び寄せてしまう…という、モンスターパニック映画。


 このところ、中国を中心としてアジア各国でモンスターホラー映画が多く作られている傾向がありますが、本作もそんな中の一本でタイ製の新作モンスター映画となります。


 お話としては『水不足の村で地下水脈を掘り当てるために井戸掘りのコンテストをやってたら、地下深くからとんでもない怪物が出てきました』みたいな感じの割とありがりな内容。


 実際の中身の方も『非常にオーソドックスな作りのモンスター映画』という感じで、「エイリアン2」やら「トレマーズ」といった名作モンスター映画をリスペクトしてるようなシーンがあったり、全体的に『どこかで見たようなシーン』が多かったりと、悪く言えばありがちなんだけど良く言えばモンスター映画としては手堅く作られている作品という感じですね。


 ただモンスターのCGとかはそこそこ予算がかかっており、怪物の襲撃シーンも割と多めで意外と気合を入れて作られている印象があるのは良い感じ。


 モンスターのデザインは、恐竜みたいな外見じゃなくて本当に『ものすごく巨大になったトカゲ』という感じなのですが、ナチュラルに『デカいトカゲが襲って来る』みたいな雰囲気で、妙なリアリティがあって不気味さが感じられるのは悪くありません。


 巨大トカゲが、尻尾で人間を串刺しにしたり脇の下の被膜で空を飛んだりと、意外と芸達者なのも楽しいところ。


 ただモンスター映画としては110分と尺が長めで、巨大トカゲが暴れだして以降の展開は普通に面白いのですが、妙に尺が長いせいもあって序盤でちょっとダレる雰囲気があるのは気になるところ。


 まあ、尺を長く取る事で主人公たちのキャラがシッカリと掘り下げられているのは、悪くない部分ではあるのですが、掘り下げがそこまで効果的にストーリーに組み込まれているかと言われると微妙なところでもあるので、その辺はもう一工夫ほしかったかも?(主人公とヒロインの恋愛感情とか、尺を取った割に良く変わらなかったし…)


 あと、終盤の展開なんかは熱くて良い感じだったのですが、欲を言えば全体を通してもうちょっと迫力のあるスペクタクル的なシーンも欲しかったかなぁ?

 


 総評としましては、『そこそこ良く出来たオーソドックスな巨大生物ものモンスター映画』って感じの作品ですね。


 強く推す程では無いものの普通に楽しめるレベルの内容にはなっていますので、そういうジャンルが好きで気になる人は観ておいても悪くないかも?


 そもそも『タイ製のモンスター映画』自体が割と稀少ですので、そういう意味でも興味のある人はチェックしてみても良い一本かもしれませんよ。