■■■「キング・オブ・キラーズ」■■■
（５５点／アクション）
元CIAのエリートで最強の殺し屋であるマーカスは、任務の最中に何者かの陰謀で妻を殺害されて依頼、殺し屋稼業は引退してひとり娘と暮らしつつ、妻を殺した犯人の手がかりを追いながら生活していた。
そんなある日、『史上最強の殺し屋』と噂されるドラコスの暗殺依頼を受けた彼は、いったんは依頼を断るが、娘に高額な医療費のかかる心臓病があると発覚したために、改めて依頼を受ける事となる。
依頼主の指示に従って、東京のとある場所に集められた彼らは、そこで世界各国の様々な特殊機関や組織から集められた『最強の殺し屋』たちが一堂に会している事に驚くが、実は殺しの依頼を出したのは『ドラコス』自身で、自らが殺し屋たちと戦って倒す事で、事実上の『史上最強の殺し屋』となるために依頼をして来たことを知らされ…
世界各国の『最強の殺し屋』たちが一堂に会して『史上最強の殺し屋』を決めるために戦いを繰り広げる…というサスペンス風味のアクション映画。
設定だけ聞くと『殺し屋バトル・ロワイアル』みたいな感じのお話のように聞こえますが、実際の中身の方は『頭のおかしい「最強の殺し屋」に集められた各国の一流の殺し屋たちが、罠の仕掛けられた場所で「最強の殺し屋」と戦わさせされる』という「死亡遊戯」を逆にしたようなお話です。
まあ、内容的には『殺し屋たちがひたすらバトルをする話』には違いないのですが、なんかちょっと想像していたのと違った内容という印象。
お話としては、先述のとおり『殺し屋たちがひたすらバトルを繰り広げる』という、ホントにソレだけの作品という感じ。
中盤あたりから、ひたすらバトルシーンの連続という感じの構成なのですが、アクションそのものは割と力が入っており、観ていて退屈させられる事が無いのは良い感じ。
ただ、『様々な組織から最強の殺し屋が集められた』という設定の割には、殺し屋の使う技とかにそこまで個性が感じられず、『日本人の殺し屋が刀を使う』以外はそこまで特徴を見いだせないのは残念なところ。
一応、殺し屋によって使う技に『パワータイプ』や『スピードタイプ』みたいな特徴はあるのですが、もっと中二病アニメっぽいコテコテな感じのキャラ付けや個性が欲しかったです。
またアクションシーンは気合が入っているものの、ストーリーの方は割とグデグデな印象。
『最強の殺し屋』が殺し屋たちを集めた『真の目的』みたいなのも唐突過ぎて『なんじゃそりゃ？』みたいな感じですし、主人公の妻殺しの真犯人も『だから何だよ？』みたいな感じで、どうにも盛り上がりません。
あと主人公も個性が薄く、キャラが同じような雰囲気の人が多すぎて、誰が誰だか良く分からんようになるのも難点かも？(笑)
ラストのオチも『俺たちの真の戦いはこれからだ』みたいな雰囲気を出しつつも、その割には続きを観たくなるような魅力を感じさせられないですし、全体的にもうちょっとキャラの個性付けとか掘り下げとかをシッカリとやって欲しいと感じた作品でしたよ…
総評としましては、悪くは無いものの『いま一つ盛り上がりに欠けるバトルアクション映画』って感じですね。
アクションシーンはそれなりに観れる完成度なので、アクションをメインとして楽しむのであれば悪くは無いですが、他の部分のグテグテ感が強いのでそういうのが気になる人には微妙な作品かも？
まあ色々とツッコミどころは多いながらも『何も考えずに観れる映画』ではあるので、激しい格闘シーンとかを観てストレス解消したいのであれば、そこそこ楽しめる一本ではないでしょうか？
