■■■「国家非常事態 首都爆破テロを阻止せよ」■■■
(55点/アクション)
マレーシアで、何者かによって列車から輸送中の大量の爆薬が盗まれるという事件が発生。
警察のテロ対策チームのメンバーである、無鉄砲な刑事カリードと冷静沈着な女刑事アニスのコンビは、事件の調査を開始。
手がかりを元にテロ組織の幹部の一人を逮捕するが、テロ組織が首都のクアラルンプール内で大規模な爆破テロを計画しており、爆弾が既に白いバン3台で運び出されてしまった事を知る。
なんとかしてテロを食い止めるために情報を収集する彼らだったが、そんな矢先に警察内部にテロ組織への内通者が居る事が発覚し…
マレーシアを舞台とした爆弾テロ犯とテロを阻止しようとする警察の特殊部隊との戦いを描いた、対テロものクライムアクション映画。
マレーシア製の作品のようですが、なかなか気合が入ってシッカリと作られたアクション映画という印象の作品です。
お話としては『大規模な爆弾テロの計画を察知したテロ対策チームの面々が、なんとかしてテロを食い止めようと奔走する』という、非常にオーソドックスな対テロもののアクション映画という感じ。
主人公は2人組の刑事のコンビとなっており、一応は『バディもの』っぽい作りになってはいるのですが、『無鉄砲な男性主人公』の方はシッカリとキャラが立っているものの、『冷静な女性主人公』の方はいま一つ影が薄く、またコンビで活躍する様子や2人の絆が深まる様子もあまり描かれていないため『バディもの』としての印象が薄いのは残念なところ。(一応、女性主人公もキャラを掘り下げるための伏線みたいなのは張られてる。)
逆に悪役のテロリスト側は無駄にキャラが濃くて、むしろ主人公たちよりも目立っているような感じになってしまっているので、もうちょっと主人公たちを惹きたてるような作りの方が良かったんじゃないかなぁ…
また、アクションや銃撃戦のシーンは割と良く出来ているのですが、見せ場である爆破シーンは意外と地味でやや迫力不足な印象。
ラストも妙にアッサリしてて、ちょっと盛り上がりに欠ける感があったのは残念なところですが、エンディングを観る感じだと『実際にあった事件』をベースとして描いているみたいな雰囲気だったので、あまり実際の事件からかけ離れた展開にし難かったとかって理由があるのかも?
オチも、いかにも『続編に続く』っぽい終わり方で描かれているものの、あまりキャラが魅力的ではない事もあって、そこまで続編を観たいと感じるほどの内容ではなかったので、続編が作られたとしても観るかどうかは微妙なところかも…
総評としましては、そこそこシッカリと作られた『普通に観れるレベルの対テロものアクション映画』って感じです。
アクション映画としての出来自体は悪くは無いのですが、本作ならでは魅力にはやや乏しく『いま一つ印象に残らない映画』というのが正直な感想ですね。
強く推すような要素は無いですが、息抜きに観るレベルであればそれなりに楽しめる作品だと思いますので、『マレーシア製のアクション映画』という事で気になるようであれば、チェックしておいても良い感じの一本だと思いますよ。