■■■「感染」■■■
(50点/医療ホラー)
医者の数も設備の数も足りない経営危機に陥った病院に、ある日、急患として未知の感染症に感染した患者が搬送されてくる。
正体不明の感染症が自分たちの手に負えないと感じた医師の秋葉は衛生局への通報しようとするが、同じ医師の赤井は『謎の感染症』の症例を自分たちの手によって解明し、学会で名誉を得るために自分たちの手元に患者を置いておこうと提言する。
しかし謎の感染症は、やがて病院内の看護婦や医師たちに二次感染を広めて行き、恐るべき院内感染へと発展していくのだった…
昨年にJホラーシアターとして立ち上げられ、「感染/予言」の同時上映として上映されたホラーシリーズのうちから、とりあえず1本目。
この映画なんと言いますか、とにかくグチャグチャでドロドロな映画です。
何が『グチャグチャでドロドロ』かって…
病院は経営が破綻してて、グチャグチャでドロドロ。
病院に勤める人間の、人間関係がグチャグチャでドロドロ。
謎の感染症にかかった人間の肉体がグチャグチャでドロドロ。
とまあ、『グチャグチャでドロドロなが作品テーマなのか?』と思うぐらいに、徹底的にグチャグチャでドロドロな映画な訳ですよ。
特にストーリーに関してのドロドロ具合が再たる物で、この映画、上映開始から15分ぐらいで『どう転んでも救いようの無いオチ』が待ってるのが分かってしまうのがキツい。
私は基本的に『ホラー映画大好き人間』ですので、バッドエンドだったり後味の悪い内容だからって、そんな事に文句を言うつもりは毛頭無いのですが、それにしても『最初からバッドエンド確定で、破滅に向かって突っ走っていく』って映画は流石に辛いものが…
ただ、ストーリーや演出がキツイ方向一点張りなのに対して、この映画のメインとも言うべき感染症の特撮がやたらと安っぽいのは困りもの。
謎の感染症に感染した人間は、全身の細胞を破壊(出血熱のような症状)されて、『全身から緑色の体液を撒き散らしながらせん妄状態になってうろつきまわる』という設定なのですが、この緑色の体液ってのが、どうみても『耳や口から青汁を撒き散らしてるだけ』にしか見えなくて…
なんというか、『スーパーヒーロータイム』とかに放映されそうな子供向け特撮番組みたいな特撮レベルなんですよ。
この感染症の特撮が物凄く安っぽく描かれている為に、全体的にコケ脅しの中途半端な映画として終わってしまっているのが、非常に惜しい所だなぁ…。
(他の『全身火傷の患者』とか『骨折の患者』とかは、『痴呆老人の奇行』とかは妙にリアルなのに)
ここがハリウッド並みの予算を使ってホントにエグく描かれてたら、もうちょっと怖い映画になったかもしれないので、なんとも勿体無いところですよ。
総評としましては、演出やらストーリーは悪くないのですが、予告編とかを見て内容に期待して見た場合は『ちょっと肩透かしを食らうかな?』といった感じの、全体的にチープな内容のホラー映画です。
怖いというよりは非常に『精神的に疲れる映画』ですので、観る場合は『心に余裕がある時』に観ることをお勧めします。
私は、あまりの辛さに途中で早送りしたくなりましたよ。
劇場映画としてみると微妙ですが、ぶっちゃけ『TVドラマ』程度のつもりで観れば全く普通に楽しめると思うので、普通にTVで放映されるのを待ったほうが良いかも?
ちなみに、私はこの映画のラストシーンの意味が結局良く分からなかったのですが…
ちょっとだけ隠し文字で書きますが…
結局、アレは『謎の感染症は主人公の妄想で存在しなかった』という事なのでしょうか?
その割には最後でロッカーから、緑色の体液が流れ出たりしてたし…
どうにも、私の理解力不足だけが原因とも思えないのですが…うーむ?