■■■「NIN × NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」■■■
(75点/結構オススメ・ファミリー向けアクション)
伊賀の里で忍者の修行を続ける服部カンゾウは、父のジンゾウから『修行の最後の仕上げとして現在の江戸に赴き、最初に出会った者を君主として影となって仕えよ』という指令を受ける。
東京に着いたカンゾウは、最初に偶然に出会った小学生の少年であるケンイチの元で仕える事となるが、そんな矢先、巷では忍者らしき人物による謎の連続傷害事件が発生していた…
特に説明も無い程有名な藤子不二雄A原作による「忍者ハットリくん」の、香取慎吾主演の実写版アクション映画化作品。
何と言いますか、『香取慎吾がハットリくん?何で!?』と言う一点のみでも、物凄いインパクトがある映画で、最初はぐるぐるほっぺに満面の笑みを浮かべてハットリくんを演じる姿に、失笑を禁じえなかった(香取慎吾本人も、ときどき堪えきれずに笑いそうになっているのが妙にウケる)のですが…
しばらく観てると、ハットリくんではなくて『こういう新キャラなんだ』と思えば、あまり気にはならなくなります。
というか、ハットリくんはアクマでベースにしている程度で、全く別の話だと思って観た方が良いでしょう。
基本的には、ホントにファミリー向けの映画って感じで、あまり奇をてらったような複雑なストーリーは無いのですが、『やらないで諦めるほうが、よっぽどカッコ悪い』とか『掟より大切な物を見つけた』といった感じの、非常にストレートなテーマ性が語られているのは好感触。
お話全体の流れやテンポも非常に良く、物語のアクセントとしてのコメディ部分やアクションシーンの挿入なんかも上手く効いていますし、ラストシーンなんかは結構盛り上がったりして、全体的に視聴者を楽しませようとして作っているという感覚が伝わってくる良い映画でした。
惜しむらくは、ハットリくんは忍者の掟として『主以外の者に姿を見られてはならない』という制約を守らされているため他のキャラとの交流が少なくて、ハットリくんというキャラクターがどういう性格なのか等が、イマイチ語られてなかったのが残念な所。
あと、ケンイチ役の子役俳優が今回が映画に初出演って事らしくて、『演技がまだまだこなれてないなぁ…』って印象を受けましたが、まあ子役ですし、その辺は大目に見てあげても良いのかな?と…
総評としましては、家族向け映画としてごく普通に楽しむことの出来る、良質の冒険活劇映画といった感じです。
家族で観るのはもちろん、奇をてらわずに安心して鑑賞できる映画を観たいという場合は、大人から子供まで無条件でオススメできる作品でしょう。
タイトルや香取慎吾主演のハットリくんって事からイロモノっぽい印象を受けますが、騙されたつもりで鑑賞してみても損は無いかもしれません。
あと、どうでもいいけどアニメのハットリくんが部屋にこっそり居つくのはともかく、香取慎吾のハットリくんに部屋に居つかれるのは、ちょっと落ち着かないなぁ…とか思いました。
朝起きたら、香取慎吾が天井に張り付いてるってシュールな絵柄はどうよ?