■■■「戦革機銃隊1945」■■■
(65点/戦争映画)
1945年、第二次大戦下のフランス。
敵前逃亡の罪でMP(憲兵)に逮捕された米軍の兵士であるロージーとデミングの2人は、軍事裁判にかけられる為にシープで護送されていが、偶然にもジープは地雷原に踏み込んでしまい大破。
MPが命を落としてしまった事から、彼ら2人は逃亡し付近の廃ビルへと身を潜める事とする。
しかし、彼らが隠れ場所に使おうとしたその廃ビルは、あるユダヤ人の老夫婦が戦災孤児たちを集めて、彼らにゲリラとしての戦いを教えながら養う秘密のアジトだったのた。
ドイツ兵と勘違いされて身柄を拘束された2人だったが、やがて戦車を率いた本物のドイツ兵の小隊が現れ、彼らの潜伏する廃ビル目掛けて攻撃を開始する…
「悪魔のいけにえ3」等のホラー映画で知られるジェフ・バー監督による、戦争アクション映画。
パッケージやタイトルだけ見ると、いかにも「戦国自衛隊1549」のパクリっぽいですが、別に『最新鋭装備で身を固めたアメリカ海兵隊が東部戦線にタイムスリップしてドイツ兵と戦う』とかってお話ではなく、至極普通(むしろ地味な)の戦争映画になっています。
というか、「戦国自衛隊1549」とは似ても似つかないようなお話なんで、何故にタイトルのパクリをやるのか全く持って意味不明です。
お話の舞台は歴史上の有名な作戦とかではなく、恐らく東部戦線のアルデンヌの森のどこかといった感じで、建物を包囲された少年たちがゲリラとしてドイツ兵と戦うといった感じの内容なのですが…
この、ゲリラとして戦う子供たちはホントに年端も行かない小学生ぐらいの子供が殆どで、なかには幼稚園児のような年齢の子供まで混ざっており、彼らが『かくれんぼ』でもするような感覚で遊びの延長として兵士たちを物陰から撃ち殺して行く様子は、戦争と言うのは狂気以外の何者でも無いのだなぁ…と言う事を感じさせて、ハッキリ言って恐いです。
低予算映画らしく大規模な戦闘なんかは無く、戦闘車両もハリボテっぽいティーガーが1台登場するのみ。
アクション映画としてのアクションの内容もショボいですが、いかんせん戦うのは年端も行かない子供達ばかりなので逆にショボい事がリアリティに繋がっており、偶然の産物かもしれませんが非常に良い効果を出しています。
ただ、主人公がゲリラの少年たちと出会ってからの展開は面白いのですが、序盤の展開は結構ダルくて、思わず眠くなってしまう(というか、1回目はうっかり途中で寝てしまいましたよ…)ような内容なのは少々いただけません。
もう少し、序盤にも何か見せ場があればなぁ…とは思いました。
総評としましては、派手さは無いながらも『戦争の静かな狂気を描いた怪作』と言えるような掘り出し物的な作品です。
アクション寄りの内容を期待すると地味な内容にガッカリするかもしれませんが、戦争というのは本来カッコ良い物でも何でも無いですしね…
こういう映画を観ると、戦争というのは恐ろしい物であり有ってはいけない事なのだ…と改めて考えさせられます。
パッケージに『サム・ペキンパー監督の「戦争のはらわた」に続く傑作』みたいな事が書かれていましたが、確かにテイスト的には共通する部分もあり納得出来る内容ではあります。
B級な作品ながらも、戦争映画好きならば観ておいて貰いたい1本ですね。