■■■「ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]」■■■
(アメコミヒーロー/60点)
天才発明家であり宇宙飛行士でもあるリード・リチャーズは、地球生物の進化に大きな影響を与えたと考えられている大規模な宇宙嵐が地球へと接近している事を知り、宇宙ステーションでの実験を行う為に学生時代のライバルで億万長者であるビクターにパトロンになって欲しいと相談する。
この研究が金になると判断したビクターは、リードを含む科学者達と5人で宇宙ステーションに赴くが、宇宙嵐が予想よりもはるかに早く到来し、準備不足だった彼らは大量の宇宙線を浴びてしまう。
なんとか地球へと帰還した彼らだったが、宇宙線の影響で変異を起こした科学者達の4人の肉体には、やがて驚くべき変化が現れ、スーパーパワーを発揮出来るようになる。
偶然にも事故現場を救った彼らは「ファンタスティック・フォー」と呼ばれ、一躍ヒーローとしてもてはやされるようになるが、同じ頃、彼らのパトロンであったビクターも驚くべき変異によってスーパーパワーを身に付け、その力で世界を支配する為に「ファンタスティック・フォー」の4人を抹殺しようと邪悪な計画を巡らせるのだった。
日本ではあまり有名じゃないですが、「スパイダーマン」と同じスタン・リー原作の同名タイトルのアメコミ作品を元にした、ヒーローもののアクション映画です。
日本でも一応、大昔(30年ぐらい前?)にアニメが放映された事があり、その際の邦題が「宇宙忍者ゴームズ」と言えば割と歳を食った方ならピンと来る人も多い筈。
宇宙飛行士の主人公たちは宇宙線を浴びた影響で、
『全身がゴムのように自由に伸び縮みする「ゴームズ(ミスター・ファンタスティック)」』
『身体を自由に透明に出来る「スージー(インビジブル・ガール)』
『全身を火の玉に変え炎を操る力を持った「ファイヤーボーイ(ヒューマン・トーチ)」』
『岩のような丈夫な体と怪力を備えた「ガンロック(ザ・シング)」』
といった特殊な能力に目覚めた4人が、スーパーパワーで正義の為に戦うといったヒーロー物でした。
本作は、その誕生エピソードに当たる部分の映画化といった感じの内容で、ノリ的にはいかにもなアメコミヒーロー物の『誕生編』といった感じのお話で、主人公がスーパーパワーに目覚めた事に悩みつつも悪と戦う決意をしていく…といったオーソドックスな展開は、確かにコテコテではあるんだけどある意味安心して観れる内容とも言えます。
作品自体の完成度はなかなか高くて、サクサクと進んでいくストーリーはテンポが良いですし、ユーモアのセンスとかもなかなか良くて観ていて飽きないのですが、ヒーロー物でありながら主人公たちのアクションシーンが意外と少な目なのは、ちょっといただけない所。
また今回の敵役になる「Dr.ドゥーム」が、基本的に主人公達を倒そうと狙ってくるだけで、お話の流れ的に『主人公たちが襲われたのに一般人が巻き込まれたのでなんとなく助けました』的なノリが強くて、敵役が元々は主人公達の顔見知りって事もあって内ゲバをやってるようにしか感じられない事から、お話を観終わった後のカタルシスが弱いのが辛い所でしょう。
「Dr.ドゥーム」が「X-MEN」のマグニートみたいに物凄い野心でも抱いてれば良かったのでしょうが、まあ尺の都合もあるのでしょうがお話のノリ自体は悪くないので、そこがちょっと勿体無い所だと感じました。
まあ、ラストからしても続編を作る事が前提っぽい終わり方でしたので、「X-MEN」とか同様に本番は2作目から…といった感じの作品なのでしょうが、日本では知名度もなくあまり人気も無さそうなタイトルなので、続編が日本で公開されるかは一抹の不安が…
あと、個人的な事を言わせて貰うと、本作ではジェシカ・アルバがあんまり色っぽくないのは減点ですな。
なんかこの作品の彼女は、妙に不健康っぽくていけません…ちょっとキャラ的に落ち着きすぎな印象があるせいかなぁ…
総評としましては、作品としては悪くは無いとは思うのですが割と可も不可も無いような感じのアクション映画と言えます。
アメコミ物が好きか、昔TVアニメで観てて思い入れがあるとかって人ならば、とりあえずチェックしておいても損は無いとは思います。
もし続編が作られれば、結構面白くなりそうなネタでもありますので…
最後に、割とどうでもいい事なんですが、ガンロック(ザ・シング)のキメ台詞が「ムッシュムラムラ!!」じゃ無くなってたのがちょっと残念かなぁ…
って、それこそアニメ版を観た事が無い若い人にはサッパリ訳が分かりませんか?(笑)