■■■「ソンビキング」■■■
(ゾンビプロレス?/35点)
近未来のゾンビが世界中に蔓延する世界。
プロレス界の花形レスラーであるユリシーズは、恋人のメルセデスとその弟ブルーセイントと一緒に休暇を海辺のビーチハウスへと訪れる。
休暇を過ごすその街で、旧友で一匹狼のレスラーであるティキがゾンビとの試合を行うという話を聞き会場へと見物に訪れるが、その試合は『飼いならされたゾンビ』による単なる見世物だった。
しかし、試合中に屋外で観客がゾンビに食い殺される事件が発生し、ティキの連れていたうち試合に参加していなかったゾンビ達が疑われるが、ユリシーズは彼のゾンビの潔白を信じ、プロレス団体のお目付け役であるミスターXと共に人間を襲ったゾンビ達の存在を突き止める為に調査を開始する。
悪の帝王『ゾンビ・キング』率いるゾンビ軍団と、正義の覆面レスラー軍団が対決する、映画史上初(?)前代未聞のゾンビプロレス映画。
映画の内容がどうこうと言う以前に、余りにツッコミどころが多すぎてどこからツッコんで良いのか良く分かりませんが…
まあ、ぶっちゃけて一言で言っちゃえば『ゾンビと覆面レスラーが戦う映画』です。
主要登場人物は殆ど全員が覆面レスラーで、何故か普段の生活から常に覆面を着用しています。(食べ物を食べる時ぐらい取れよ…)
対するは、ゾンビ軍団とボスであるゾンビレスラーのゾンビ・キングで、コチラももちろん常時覆面着用。
コレなら、外人の顔の見分けが付かない日本人でも安心です。
ストーリーは、悪のゾンビ軍団(正義のゾンビが居るのか?)を率いるゾンビ・キングが、全人類をゾンビ化させて世界を支配しようとかって陰謀を巡らせるのですが…
一応、人間とゾンビを掛け合わせて出来たハイブリッドゾンビみたいなのが登場したりもしますが、何だか良く分かりませんし、そもそもストーリーには一切関係ありません。
主人公の弟分であるブルーセイントの父の仇が、ゾンビ・キングの腹心であるマーダライザーってレスラーらしいのですが、これまた割とどうでも良い設定です。
何か、エラくいい加減にストーリーの説明を行っていると思われそうですが、本作の半分ぐらいが、ホントにそんな感じでオチまで含めてグテグテでいい加減な話なんですよ。
じゃあ、残りの半分は何をやってるかと言いますと…ひたすらプロレスをやってたりします。
ゾンビ相手にプロレス。
人間同士でプロレス。
悪の軍団相手にプロレス。
基本的にアクションシーンは、とにかく全部がプロレスです。
何でも、本作に出演しているのはWWE(アメリカ最大のプロレス団体)出身の本物のレスラーだそうで、このプロレスシーンに関しては流石に良く出来ているというか無闇に気合が入っています。
ただ、残念なのは『ゾンビ相手にプロレス』という設定の割には、あまりその設定が活かされていない事。
せっかくゾンビなんだから、戦ってる最中に腕や足がもげてみたり、あまつさえその腕や足を凶器にして攻撃してみたり…といったアホなアクションがあっても良かったかも…
ハッキリ言ってゾンビのメイクもチャチで、自主制作映画レベルといった出来栄えのため、単に顔色の悪い人達と覆面レスラーがプロレスをしてるようにしか見えない所が勿体無いです。
お話の展開やテンポの良さも、全体的にイマイチで盛り上がりに欠ける作りですし…
こんなバカな設定なんだから、アクションシーンもストーリーも含めてもうちょっとハッチャけた展開や悪ノリしすぎな展開になっても良かったのでは?…とか思ってしまいましたよ。
総評としましては、ハッキリ言ってタイトルと設定にインパクト負けしてる映画かなぁ?って言うのが正直な所。
基本的にバカ映画ではあるのですが、突き抜けたバカさ加減を期待してると、ちょっと微妙で空振りかな?…って気分になりますよ。
まあ、暴れだしたくなる程にツマんない訳でもないですので、バカ映画が好きならば話のネタ程度に観ておく分には止めませんが、あまり推奨もしません。
プロレスとゾンビが好きならば、まあお好みで…といった感じでしょう。
ちなみに、タイトルにジョージ・A・ロメロの名前もありますが、この映画のどんな部分をロメロが許可したのか、私には1mmも理解出来ませんでした。
つか、ホントにこの映画をロメロは観たんかいな?
だとしたら、ロメロは凄い心の広い人物だなぁ…と、ちょっと尊敬しますよ。