NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バレット・フィスト」(60点/格闘アクション:格闘アクション好きならオススメ)

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■■■「バレット・フィスト」■■■
(格闘アクション/60点:格闘アクション好きならオススメ)

 21世紀の中頃、世界的な紛争と内戦の継続によって国家と政府が崩壊した欧州は、武装した無法者たちによって支配される中世のような状態へと文明が後退していた。
 無法者たちのリーダーであったカルナックは、自分達の部隊に古代の武術を取り入れる事によってその勢力を伸ばし国家の支配を目論んでいたが、彼のの邪悪な志に気付いた彼の師匠たちは、その武術の『究極の奥義』を教える事を拒み、それを一冊の書物へとまとめたのだった。

 書物を奪うために師匠へと戦いを挑んだカルナックは返り討ちにあい命を落とすが、それから数年後、復讐に燃えるカルナックの息子・ボスコが師匠を殺害し、武術の最期の伝承者であるヨナスは銃弾で胸を撃ち抜かれて瀕死の重傷を負ってしまう。

 なんとか一命を取りとめたヨナスは、師匠の仇を討ち奥義の書を取り戻すために、単身でボスコの軍隊と戦う事を決意するのだった。


 ドイツの若手肉体派アクション俳優である、マティス・ラントヴェアー主演のドイツ製の格闘アクション映画。

 一応、SFっぽい設定やそれらしいストーリーもあるもののメチャメチャありがちな内容のお話で、カンフー映画の『お師匠様の仇討ち物』と「マッドマックス」(2作目以降)を合わせたようなお話と言えば、殆どの人は本編を観ないでも内容が理解出来てしまうような、ある意味でコテコテの映画。

 途中で登場した強敵が仲間になったり、お師匠様の仇を討つために圧政を受けている街の住人と訓練を行ったり修行したり、敵のボスが過去に自分が一度負けた因縁の相手だったりヒロインが誘拐されて脅迫されてみたり

 といった感じで、ホントに格闘アクション映画の文法どおりに作られたコテコテっぷりは、ここまで来るとある意味で痛快ですが、本気で『開始15分ぐらいの時点でオチまでの展開が容易に想像が付いてしまう』ような映画の為、ストーリーを楽しみたいという人には正直言って微妙な内容かな?

 その昔、ヴァンダム主演の「サイボーグ」って格闘アクション映画がありましたが、一言で言ってしまえばソレのドイツ版みたいな感じで、ストーリーもへったくれも無い『90分間格闘アクションショー!!』とでも言うようなお話で…

 実際にこの『90分間格闘アクションショー!!』と言うのは比喩でも何でもなくて、気分的に本編の半分ぐらいは格闘シーンに費やされているような塩梅で、更にこの格闘シーンがなかなかに良く出来ている為、格闘アクション映画が好きな人ならそれだけで十分にお腹一杯楽しむ事が出来るでしょう。

 何でも、この俳優はヴァンダムやセガールの後釜の『肉体派アクション俳優』として注目されてたりするらしいのですが、なるほどソレも納得の肉体派っぷりです。

 またアクションシーン以外でも、廃墟となった未来世界の雰囲気や美術デザインなんかはなかなかに秀逸で、ちょっとだけ廃墟好きの血が騒ぎました。
 まあ、流石にそれだけの為に観る程の映画ではないですが、そういった世界観やらが好きという人ならば、なお楽しめて良いのでは?…といった感じですね。

 総評としましては、アクションシーンは良く出来ているんだけどホントにそれ以外は何も無いという、純粋にアクションシーンを堪能する為だけの映画です。

 最近、アクション分が不足しがちな人とか、純粋にマーシャルアーツ格闘アクションを楽しみたい人とか、頭の中を空っぽにしてスカっとした気分になりたい人には、結構オススメできる映画と言えるでしょう。

 個人的には、ここまで内容の無い『アクション映画らしいアクション映画』も久々だったので、ある意味で楽しめましたよ。(笑)