NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スパイダー・ボーイ ゴキブリンの逆襲」(65点/特撮ヒーローコメディ)

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■■■「スパイダー・ボーイ ゴキブリンの逆襲」■■■
(65点/特撮ヒーローコメディ)
 マニラのスラム街に住む心優しい青年ジュニーは、ある日の仕事中に偶然、放射性物質で汚染されたクモを飲み込んでしまうが、その瞬間に彼の体は不思議な赤い光に包まれて『驚異的な身体能力』と『垂直な壁や天井に張り付いてよじ登る力』と『手のひらから粘着質の糸のような物を出す力』を身につける。
 彼は、この力を街の平和を守る為に役立てようと考え、人気コミックのヒーローである「ガガンボーイ(スパイダーボーイ)」の衣装を仕立て屋に作ってもらうが…

 しかし同じ頃、彼のライバルであるドドイは、放射性物質に汚染されたゴキブリを飲み込んでしまった事から、超パワーの怪人『ゴキブリン』へと変身。
 その超パワーで、ジュニーの幼馴染でスラム街のマドンナ的存在であるリアナを誘拐し、自分の物にしようと画策するのだった。


 先日紹介したアーリャマーンインド版スターウォーズだとしたら、こちらはフィリピン版スパイダーマンとでも言うべき特撮ヒーローものアクション映画。

 何でも、フィリピン映画史上最高の制作費を投じて作られた映画らしく、アクションや特撮のレベルとかは思ったほどは酷くないです。
 …といっても、まあ『ハリウッド製のB級映画のレベルには達してる』って程度ではあるんですが。(笑)

 アーリャマーンが結構マジメにストーリーを作っていたのに対し、こちらはどっちかというとコメディ要素が強い内容で、ストーリーの方も『ヒーロー物』と言うよりは『青春コメディ』といった要素が強いです。
 だいたい、主人公のスパイダーボーイとライバルのゴキブリンが戦う理由ってのが、単なるヒロインの奪い合いですからね…

 ただ、この軽薄でバカっぽいストーリー(誉め言葉)が、ショボ目の特撮と非常にマッチしており、本家のスパイダーマンのような迫力やテーマ性は無い物の、軽いノリでサクっと楽しむお馬鹿コメディとしては非常に良く出来ている所が好感触。

 アメリカのTV映画等でよく特撮ヒーローのコメディものが製作されたりしますが、基本的にはあんなノリで、何の脈絡も無く登場してスパイダーボーイと戦う怪人コウモリ女や、正義の為に戦おうとしてる割に空回りばっかりして全然役に立ってない主人公等…ちょっとバカっぽいコメディと随所に挿入されるパロディネタで、全体的にテンポよく楽しめる作品に仕上がっています。

 総評としましては、ヒーロー物のコメディ映画とかが嫌いじゃなければ、ごく普通に楽しめるレベルの映画だと思います。
 タイトルとかパッケージを観ると無茶苦茶ヤバそうな印象を受けますが、実際には『さもありなん』と言った感じの楽しい映画でした。

 ネタ映画として観ておいても損は無い作品だと思いますので、この手の映画が好きならば結構オススメしておきますよ。

 まあ、ネタのインパクトはアーリャマーンには遠く及びません…
 それが、良いことなのか悪い事なのかは置いとくとして。(笑)