NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「閉ざされた場所/ウィリアム・マローン」<マスターズ・オブ・ホラー>(55点/オカルトホラー)

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■■■「閉ざされた場所/ウィリアム・マローン」<マスターズ・オブ・ホラー>■■■
(55点/オカルトホラー)

 私立高校に通う内向的で大人しい性格の少女・タラは、ある日の下校中に森の中で突然ワゴン車に跳ね飛ばされ、そのワゴン車から出てきた一人の男にクロロホルムを嗅がされて拉致されてしまう。

 屋敷の一室のベッドで目を覚ました彼女は、看護士と名乗る女性・ジュディスから安心するように声をかけられ、色々と質問をされるが、彼女の態度に何か不審さを感じたタラは、実は自分を誘拐したのはジュディスとその夫のアントンで、自分は人里離れた湖畔にある屋敷へと捕らわれているという事実に気付く。

 2人によって屋敷の地下室に閉じ込められた彼女は、同じ地下室に閉じ込められて今にも首を吊って死のうとしているジョニーと言う少年と出会い、なんとか彼を助ける事に成功する。

 首吊りの為か口の利けないジョニーと一緒に、なんとか地下室から脱出しようと地下室を調べて回るタラだったが、地下室のあちこちに残された『手遅れになる前に脱出しろ』とか『あれが現れる前に逃げろ』といった不気味なメッセージを発見するのだった…


 世界的に有名なホラー監督が競演する「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズよりウィリアム・マーロン監督によるオカルトホラー。

 ウィリアム・マローンと言うと、ホラーの匠というよりも「バイオ・スケアード/悪魔の遺伝子」等のB級どころかD級ぐらいのホラーの監督として有名らしいのですが、同監督によって比較的最近撮られた「TATARIタタリ」はそれなりにソツの無い演出をした良作だったので、『匠』というよりは新進気鋭の若手監督といった所でしょうか?

 ちなみに本作は、先述の「チョコレート/ミック・ギャリス」同じ巻に収録されている作品です。

 本作の方は、変化球の多い「マスターズ・オブ・ホラー」の中でも、最も直球ストレートなオカルトホラーと言った感じの作品で、ホラーを見慣れている人ならば開始後15分ぐらいでオチまで全て予想出来てしまうような、定番を通り越した『鉄板』とも言えるようなストーリーのお話です。

 ただ、定番だからと言って別にツマんないという訳ではなく、奇をてらわないオカルト演出やストーリーの盛り上げ方は、ある意味で『非常に安心して観れる作品』とも言えるかもしれません。

 定番故に取り立てて特筆すべき所もあまり無い本作ですが、ヒロイン役の少女がエラい美少女で、ヒロインの『萌えキャラ』っぷりと恐怖に逃げ惑う姿は、個人的にはソレだけの為にも観る価値はアリと言ってしまっても良いかも?(笑)

 『ボーイ・ミーツ・ガール』的なちょっと爽やかな展開や、両親の歪んだ愛情の怖さや、ちょっとブラックなオチもなかなかに面白いと思いますし、全体的に悪くは無い作品だと思います。

 総評としましては、特筆するほどに推す部分も無いものの、総じて結構面白かったとは思いますので、定番ホラーとしてはアリな感じの作品だと思います。

 「マスターズ・オブ・ホラー」として観ると少々パンチに欠ける感はありますが、好みが合いそうならば、とりあえず観ておいても損は無い作品でしょう。

 「TATARIタタリ」で観てからも成長目覚しい監督だと思うので、むしろホラー監督として今後の作品に期待が持てる監督だと言えるでしょう。