NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ターミネーター2018」(45点/SFホラー)

イメージ 1

■■■「ターミネーター2018」■■■
(45点/SFホラー)

 西暦2018年、アメリカ人のダンテは恋人のウーラと共にスペインへの密入国を図るが、警備隊のクファード大佐によって逮捕された彼は、移民強制収容所へと収監されてしまう。

 しかし囚人移送中の隙をついた彼は収容所から脱出、収容所からの追っ手を殺害した彼は離ればなれとなってしまった恋人を探して、クファード大佐の支配するプエルト・アンヘルという街を目指す。

 しかし自由になったと思われた彼の事を、収容所から放たれた恐るべき不死身のサイボーグ犬「ロットワイラー」が執念深く追跡していたのだった。


 不死身のサイボーグ犬と行方不明の恋人を探し続ける逃亡者の戦いを描いた、スペイン製のSFアクションホラー映画。

 タイトルに「ターミネーター2018」と付いていますが、当然ながらオリジナルの「ターミネーター」とは1mmの関係も無いのはB級映画のお約束です。

 まあ、ターミネーター風の金属骨格のサイボーグ犬が登場する事から、なんとなく言わんとしている雰囲気は伝わりますね。

 こんなB級パクリ映画なんだから、てっきり聞いた事も無い監督の映画だろうと思っていたら、なんとZOMBIO/死霊のしたたりの製作や、ソサエティー」バタリアン・リターンズ」の監督としてB級ホラーファンの間ではお馴染みのブライアン・ユズナ監督の作品。
 最近みかけないと思ったら、こんなSF映画を撮ってたんですな…

 お話としては、ターミネーターなんてタイトルが付いてるとおりに、このサイボーグ犬が主人公の事をどこまでもどこまでもどこまでも…執拗に追いかけてくるってお話なんですが…
 追っかけてくる度に、主人公がサイボーグ犬をどっかに閉じ込めたり、自動車から突き落としたり…といった感じでやりすごしてしまい、殆どマトモに対決するシーンが無いため、このサイボーグ犬がターミネーターのように強いんだか不死身なんだかは良く分かりません。

 また、ストーリーの方はコテコテのホラーというよりは『SFサスペンス』的なノリの展開で、主人公が何故か一時的な記憶喪失みたいな状態になっており…
 記憶を取り戻す『過去の回想のシーン』と、サイボーグ犬に追いかけられている『現在のシーン』が時系列入れ替えで入れ子になって展開していく』という謎解きっぽい作りになってたりするのですが…

 この『謎解き』そのものが割と適当で簡単に先が読めてしまう上に、オチも少々無理がありすぎる感があって、正直言ってあんまり面白く無いのが困りもの。

 また、もともとがホラーの監督だけあってサイボーグ犬に人が襲われるシーンの残虐描写はちょっとキツ目で、普通にSFのつもりで観たらちょっと引いちゃう人も居るかも?

 あと、サイボーグ犬があんまりサイボーグっぽく無く、いまひとつカッコ良くないのも残念ですね。

 あ…ちなみに本作ですが、パッケージにはハスキー犬のようなサイボーグ犬の写真が載ってるのですが、本編に登場するサイボーグ犬はロットワイラーというボクサーやらマスチフ犬の仲間のガッシリした体格の犬です。

 まあ、確かにロットワイラー」では見た目はあまりカッコ良いとは言えずインパクトに乏しい外見ではありますが、だからといって本編と全く関係の無い犬の写真をパッケージに使うのはいかがなものかと…
 B級ホラー映画ではパッケージと本編のイメージが違うなんて事はままありますが、いくらなんでもここまで全く違うのは酷すぎでは?

 (※ 参考:ロットワイラー
 >http://www.dogfan.jp/zukan/Working/Rottweiler/index.html

 総評としましては、映画として描きたい事は分からなくは無いのですが、全体的に予算も技術も追いついてないという、いかにもありがちな『中途半端なB級SF映画』といった感じの作品です。

 酷評する程ひどい出来では無いものの、『シナリオにもうひと工夫あればそれなりに面白くなったんじゃないの?』と思う部分も無くはないですし、もしくはサイボーグ犬がもうちょっとカッコ良い等の、何か一つ突き抜けた部分があればなぁ…と思える作品でした。

 あと余談ですが、ラストシーンは意味無し展開ながらも無駄にカッコ良かったですな。
 この監督って、炎をバックに主人公を立たせるのが好きだよなぁ…