NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

ゲーム感想:「コンデムド サイコクライム」(Xbox360)

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ゲーム感想:「コンデムド サイコクライム」(Xbox360
【総評:7点(10段階評価)】

 Xbox360にて発売された、サイコホラーをモチーフとしたアクションアドベンチャーゲーム

 ホラーゲームというと、日本ではバイオハザードとかサイレントヒルが有名だけど、このゲームの最大の特徴は主人公がFBIの捜査官で連続殺人鬼を追っているという設定から、闘う相手がゾンビとかモンスターではなくて『キチ●イの集団』だと言う事。(まあ、途中からゾンビとかにしか見えないような敵も出てくるけど…)

 現在の日本では『キチ●イ集団と戦うホラーゲーム』なんて、まず作れないと思うのでお国柄の違いを感じさせますね。

 ゲームのタイプは、FPS風の『主観視点(主人公の視点がそのままゲームの画面になっており、自分の姿が画面に表示されない)』のアクションアドベンチャーといった感じで、日本ではあまり見かけないタイプのシステムなのですが…
 客観視点に比べると『自分の状況が分かり辛く操作し難い』という欠点はあるものの、まさに主人公と一体となってプレイするため非常に没入間が高く、また状況把握のし辛いもどかしさが更に焦りを呼ぶ効果もあって、『主観視点』というのはホラーゲームにはムチャクチャ向いているシステムだと思います。

 特にこのゲームの場合は、ゲームのシナリオ上『懐中電灯を片手に暗闇を捜索する』というシチュエーションが非常に多くて、『闇の中に何かが潜んでいる』という不安をあおりたてるような演出が非常に秀逸で…

 また、主人公が意外と弱くて『不意打ちを受けたら2秒ぐらいで殺される』事もあって、プレイ中に緊張感を途切れさせる事が出来ない事から、暗闇の中に足を踏み入れるのが本気で怖くなってビクビクしながらプレイしてしまいます。
 マジな話、『自分の蹴った缶やビンの転がる音にビビって思わず逃げ出してしまう』ようなゲームは初めてですよ…

 過剰すぎないショッカー演出(プレイヤーをビックリさせる演出)もなかなか秀逸で、プレイに慣れてきて忘れた頃にビビらせ演出がドカン!!と来るもんだから、プレイ中に2~3回ぐらいは本気で飛び上がるぐらいビックリしましたよ…


 ただ、『怖いゲーム』としてのレベルは非常に高いのですが、ゲームそのもののシステムやゲーム性に関しては大味な部分も多くて、全体的に少々難ありといった所。

 ゲームの内容は、いわゆるミステリー系のアドベンチャーゲーム…と言いながらも、自分で謎解きするような要素は殆ど無くて、科学捜査ツールによる手がかりの収集も『指示のあるままに機材を使用するだけ』な事から、ハッキリ言って『お使いゲーム』の印象が非常に強いです。

 戦闘シーンに関しても『手に持った武器で敵と正面からボコりあう』という単純な物が多いので、謎解きにつけアクションにつけ攻略の自由度が非常に低くプレイスタイルが殆ど一本道になりがちで、海外ゲームにしては出来る事が余りにも少ないのは残念な所。

 また、洋ゲーらしく最終面辺りになるとアクションの難易度が非常に高くて、結構『しっかりと攻略パターンを作らなければすぐ死ぬ』ようなシーンも多いので、親切な日本のアドベンチャーのようなつもりでプレイしてると最後の方で辟易としちゃうかも?

 まあ、いかんせん洋ゲーなので、その辺は覚悟してプレイして下さい。


 ストーリーに関しても、何か『謎の大部分が解き明かされないままいきなり話が終わってしまった』感があるのですが、もしかしてコレってシリーズものの1作目とかって位置付けなのでしょうか?

 正直、ラストとかかなり消化不良な感じなんですが、キチンと続編は出るのでしょうか?(…っていうか、出ても日本で発売されるのか?)

 また、全体的なボリュームが結構少なくて、20時間ぐらいあれば楽勝でクリア出来てしまうというのもちょっと不満点かな?
 隠しアイテムとか探す要素はありますが、探したからといって何か隠しモードが解除されるという訳でも無さそうだし…全体的にもうちょっとやり込める要素が欲しかったです。


 あと本編とは関係ないですが、このゲームはローカライズに際して『英語音声に日本語字幕』が付けられているんですが、この日本語字幕のフォントがやたらと汚くて字幕が少々読み辛いのは困り者です。

 他のローカライズゲームでも、やたらとフォントが汚い作品が多いというウワサを聞くので、もしかしたらMSが標準で提供してるフォントがショボいのでしょうか?

 フォントなんてまあ基本的にどうでも良いといえばどうでも良い要素なんですが、あまりに読みづらいとゲーム性に関わってくる可能性もあるので、この辺は改善して欲しいなぁ…


 総評としましては、ゲームとしての完成度に『大味』な部分が多かったり、全体的にボリューム不足な感はあるものの、『怖いゲーム』というレベルでは他に類を見ないぐらいの抜群な怖さを誇る『超絶ビビりまくりゲーム』だと思うので、そういったノリが好きならばプレイしておく価値はあるでしょう。

 日本のゲームでは体験できないタイプの『異質な怖さ』のあるゲームですので、ホラーゲーム好きならば是非。


 最後に余談ながら…
 このゲームって、CEROの新規定で『D区分』(17歳以上推奨)となってるんですが、主人公が『死体の腕を切り取ったり』、『背骨を引っこ抜いたり』とか、普通に『バラバラ死体が出てきたり』といった具合に結構過激な描写が含まれたりします。

 まあ、描写の出てくる頻度の差もあるんでしょうが…
 コレが『D区分』でもOKで、デッドライジング『Z区分』で人体損壊の表現はNG?と言われると、正直言ってCEROの審査基準は訳が分かんねー!!』としか言いようが無いです。 (「コンデムド」もZ区分なら、まだ分かるんですけどね。)

 つか、どうせ審査しきれなくて形骸化しちゃうような基準なら、最初からそんなもん作るなよ!!って感じですな。