■■■「テッセラクト」■■■
(45点/サスペンス)
ドラッグの運び屋であるショーンは、バンコクのホテルの一室で仕事の依頼人である地元のマフィアから高価なドラッグの原料を預かり、仕事の依頼を引き受けるが…
同じ頃にホテルに訪れた心理学者の女性・ローザと、敵対組織の殺し屋・リタと言った偶然にも同時刻にホテルに居た人達を巻き込んで、運命の悪戯によって事件は思わぬ事態へと進展していく…
「28日後...」の原作者の原作をベースに、「the EYE」の監督が監督したと言うクライムサスペンス映画。
「28日後...」と「the EYE」は結構良かったので、ちょっとだけ期待してたのですが…
なんと言いますか、ごく普通というかむしろ微妙な感じのサスペンス映画です。
三次元(立方体)を展開すると、面(展開図)に、二次元(平面図)を展開すると一次元(線)になるように、「テッセラクト」というのは『四次元を三次元に展開した状態』を表す言葉だそうで、そう言った感じの事が冒頭で語られるのですが…
私には、最後まで観てもタイトルの意図するところが分からなかったのですが…
なんか時間をキーとした奇想天外なトリックや、想像も出来ないような意外な展開でもあるのかと思いきやそうでもないし、パッケージにわざわざ『衝撃的なクライマックスを迎える』とか書いてある割に、そんなに驚くほど凄い結末でもないし…
(っていうか、勿体つけた展開の割に余りに捻りの無いオチに少々ガッカリ。)
中盤までの、運命の糸に操られるように事件に巻き込まれていく2人の主人公の関係を描くシーンはなかなか面白そうだと思ったのですが、なんというか2人の関係に『偶然の運命に翻弄される』以外の深みが全く無いんですよね…
冒頭で壁の中から銃弾が飛んでくるシーンや、双子の殺し屋も全く意味不明ですし…
なんか、コレってもしかしたら『原作の内容を大幅に端折る』とかしてるんじゃないでしょうか?
総評としましては…まあ、なんと言いますか、正直言って特にコレと言って観るべきところも無い凡作って感じでしょうか…
時系列をバラバラに紹介してそれを徐々に組み立てていくって手法も、今となってはありがちで新味も無いですしね…
よっぽどのサスペンス好きでも…というか、サスペンス好きならば逆にこの手の話は見飽きてると思うので、全くオススメしません。
「CUBE」とか「メメント」とか「SAW」みたいな、ミニシアター系の奇想天外なノリを期待していたのですが…正直言って肩透かしもいい所でした。