■■■「トラウマ」■■■
(45点/サスペンス)
病院て1ヶ月の昏睡状態から目を覚ましたベンは、自分の起こした交通事故により車に同乗していた妻のエリッサが死亡した事を知らされる。
心機一転するために住居を引っ越した彼だったが、事故の直後の記憶からどうしても妻が死亡したとは信じられずに、やがて彼は妻の死に疑問を抱くようになる。
そんな折、世間では人気歌手のローレン・パリスの殺害事件が大ニュースとなっており、彼女のファンでもあった彼は世間からどこか疎外感のような物を感じていた…
「トラウマ」って言うと、ホラーファンならアルジェント監督の首切りスラッシャーホラーである「トラウマ 鮮血の叫び」を連想するかもしれませんが、ソレとは全く関係の無い、コリン・ファース主演によるイギリス製サスペンス映画。
先鋭的なサスペンス映画の集まる事で有名な『サンダンス映画祭』に出展された作品で、本作もいわゆる『ちょっと難解なタイプ』の映画です。
序盤の謎の提示の部分はなかなかに面白く、『交通事故の原因は?』とか『主人公の妻は本当はどうなってしまったのか?』とか『人気歌手の殺人事件といったいどんな繋がりが?』という謎が謎を呼ぶ展開でなかなかに期待させ、映画全体に流れる雰囲気も非常に良い感じなので『コレは結構面白いかも!?』といった感じに食いつきは良いのですが…
どうにも中盤以降がなかなか話が進展せずに、正直言ってちょっとダレてしまいました。
終盤で一応の謎解きがされて、『ああ、なるほど…』と一瞬だけ納得しかかるのですが…
そのままスッキリと謎が解かれて話が終わるのかと思いきや、どういう訳かラスト付近の展開がまたもや意味不明。
『人気歌手の殺害事件』とメインストーリーとの繋がりや『謎の女性シャーロットの正体』とか、最後まで良く分かりませんでしたし、ラストのオチも『結局どうなったの?』って感じで、私の低スペックの頭脳では意味が理解できませんでした。
つか先鋭的な表現も良いのですが、この手の映画って妙に説明不足で分かり辛い事が多いのですが、この作品も典型的なそういうパターンの映画ですねぇ。
なんとういうか、もうちょっと分かり易くストーリーを描いてくれてもバチは当たらないと思うのですが…
総評としましては、演出やらテイストは非常に良いと思うのですが、サスペンス映画としてはやや難解すぎて微妙なタイトルかも?
序盤の流れや作品そのものの雰囲気は悪く無いと思うので、全体的に『もうちょっとスッキリまとまってればなぁ…』と思う作品でしたよ…